
jirowcrew
@jirowcrew
2025年12月6日

世界の散文
モリス・メルロ・ポンティ,
木田元,
滝浦静雄
ちょっと開いた
「ところで、言語は、表現に成功したその分だけ忘れられてしまうというのが、まさに言語の、一つの結末である。本に夢中になるにつれて、私にはもうページの上の文字が目に入らなくなるし、いつページをめくったかも分からなくなり、文字というそれらの記号のすべて、全ページを通して、私はつねに同じ出来事、同じ事件を目指し、そこに到達しており、それらがどんな視覚から、どんなパースペクティブのなかで私に与えられたかが分からないほどになる。」
「沈む太陽がまさしくいつ白い光からバラ色の光に変わったかを私は言えないであろうが、しかし太陽が私をバラ色に変わったかを私は言えないであろうが、しかし太陽が私をバラ色に染める瞬間はやってくる。」
(『表現の科学と表現の経験』)
散文の唸り。
哲学の書物となるための「ロイター版」。
まるで中南米の小説を読んでいるような、読んでいてクラクラする「説明」の冗長性。
著者の言うことを裏返せば、「表現に成功しない」、その文章だけが、その本のすべてとなりうる可能性を秘めているという気づき。

