Eukalyptus "木とつきあう智恵" 2025年12月6日

木とつきあう智恵
木とつきあう智恵
エルヴィン・トーマ
原書も本書も刊行年はかなり経っているが、現代でも十分に活用可能な情報が詰まっていると思う。 科学的根拠に乏しいが、長年の知見と経験がそれをカバーしている構図といえよう。 それもそのはず、学術の研究分野は、どんどんとミクロ化し、それだけニッチになっていくし、その分野が汎用性を持つためには一人でも多くの研究者が必要で、その研究者を輩出するには人一人分の人生という時間がかかる。 故にこのような書籍に載る説が建築や林業の規格に反し、倍頼に足るという判断が難しいのは当然のことではあるが、本書のファクトは科学的根拠を超えると私は考える。 Holz 100というピュアウッドが存在し、今でもトーマ・ハンソンのサイトは健在だ。 私が土着した土地に、ピュアウッドでできた家を建てる。 そんな良い目標が生まれる瞬間だった。 アトリエでも、私の思いつく施設に是非とも使いたい。 椡木系の本を読んでいると、一周回って、木造建築がもっとも火災に強いのではないかと考えている。 炭化してしまえば、燃えないからだ。 原書は1990年代の書籍で、その時ですら石油系燃料に費されてきた社会に対して痛烈に批判しているのだから、今の時代を見れば卒倒するだろう。 安価な家具やAmazonで売られている家具はほとんどパーティクルボードでできているだろう。 私の本棚やデスクラックなどもパーティクルボードであることを認めると同時に、私は深く反省した。 あの素材ほど還応可能な木材を傷めつけ、環境負荷をかけるものは無かろうと言うくらい、木が木としての一生を終えられない材質であることにショックを受けた。 木材、無垢の木材であるだけで価格は上がるが、それだけ我が半生を共にできるほどに強かであると言える。 私は、木片一片に対して、この木はどこから切り出され、化学的処理をされてここまで来たのだろうかと考えることがある。そして、出所が不明なその木片を見て、私が立体に食欲になればなるほど、その木は切り出され、加工され、手に来てしまうのだと感じ、躊躇するようになった。 既に切り出され、加工されてしまったものが存在している以上 私が買っても買わなくてもそこにもう傷めつけられた木が在るこれはプラスチック製品に置換可能だが、そもそも生産しないというところに力を入れられないのだろうか。 消費者が断ればそれだけ残ることになるのだから。 私ができることは、迎えたパーティクルボード達を丁寧に扱い木材の家具へと置き換えるまで無駄にしないことだ。 化学物質による健康への影響は十分懸念されるだろう。 私はとても反省している。
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