
blue-red
@blue-red
2025年12月12日
コマネチのために
すんみ,
チョ・ナムジュ
読み終わった
表紙のイラストが素晴らしいのだが、日本版オリジナルなのだろうか。キラキラしたベタベタした「可愛らしさ」や「女の子」から離れた等身大のそれを表象しているようだ。
物語もまた、等身大の女の子の成長を描いている。いや、等身大というには、劣悪な環境や失敗が少々多めかもしれない。けれども、根本的な部分で、コマニや家族に悲壮感は感じられない。どうにも自分には、この絶妙な淡々とした前向きさのようなものが、この小説の魅力のように思える。
小説の序説や著者のあとがきにて、これ以上ないほど的確にこの小説の要旨はまとまっている。著者チョ・ナムジュは「失敗のあとを生き続ける人々の物語」だという。本編中には、“大人になるということは、失敗したあとの人生を生き続けるということなのかもしれない”という金言もある。
あえてこれに蛇足を付け加えるならば、「失敗」するためには、小さなことでもいいので自分なりの「挑戦」や「冒険」を行う必要があるということを言っておこう。コマネチのようにオリンピックに出ることも金メダルを取ることもなかったとしても、あれだけ熱中し、色々あって小学4年生で離れた体操競技も、まあ悪くはないよね。

