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お金と本棚が無いときは、所持している本を読み直してやり過ごしてます(´・ω・`) → 本棚ふやしたのでしばらくは安心して新しい本買える(*´ω`*)
  • 2025年8月24日
    ダイエット幻想
    現代人ならば、ほとんどの人間がやせること・やせたままでいることを何らかの形で意識する時代。そもそも現代人はなぜやせたいと思ってしまうのかという本質的な問いに、承認欲求という問題までさかのぼって、きれいごとでごまかさずに説明しようとしているのが素晴らしい。 “他人に呼びかけられることで自分は初めて存在するという抗えない事実に向き合いながら、他者の声に漂流することのない自分はいかにして実現しうるのか” 若めの女性を想定読者としている本だが、実際のところ、男性も中年も含めた幅広い人たちを射程に収める本だろう。はらだ有彩による挿し絵も魅力的で、本書をやさしく彩っている。
  • 2025年8月15日
    最近のウェブ、広告で読みにくくないですか?
    表題どおり、最近のウェブ、広告で読みにくいと思わざるを得ない今日この頃なので読んでみる。分かっていたことだが、結局は無料配信である以上はなりふり構わず広告で稼ぐしか無いということに尽きるようだ。 表題の話と、後は新聞なども含めたメディア業界の過去・現状・将来の話が中心を占める。格好つけない率直な文章は好き。何となくしか知らなかったウェブメディアの内情がリアルに語られてて良い。 本書のウェブ広告の話は、一ウェブメディア編集側からの説明・分析なので、プラットフォーマー側やウェブ広告会社側からの解説(暴露話)もぜひ読んでみたい。企業機密的な問題により実現難しいだろうけど。
  • 2025年8月15日
    クラフトビール入門 飲みながら考えるビール業界と社会
    美味いビールを求めさまよい続けている人間なので読んでみたが、うーむ、わたしくとしては「ピルスナーというのは……」「エールとは……」「このブランドは……で」みたいなベタな用語解説を中心に読みたかったのだが。。そういう人には本書は向いてなさそう。 細かい勉強よりも実際に飲んで楽しめば良いんだよ的なことを著者はおっしゃるが、その実際に飲み広げるために、あるいは飲んだ後の頭の整理のために、偏見含みでもいいから一通りの知識や情報を持った方が良いと思うのだが。パブに入って店員に話しかたり、ビール祭り行って盛り上がるなんて、筋金入りの陰キャには厳しいです(^ ^)。クラフトビールの定義を定めるべき、統計取るべきと力説されても、単なるビール好きにはどうでもいいかなっと。 残念ながらイマイチだったのでクラフトビール買ってヤケ酒しよう。
  • 2025年8月12日
    詩のこころを読む
    岩波ジュニア新書の1000冊達成フェアで選書されたものの中から興味を引いたものを買ってみたが大正解。茨木のり子による、平易な言葉でつづられた、理智的でそれでいて情熱のこもった解説がすばらしい。もちろんチョイスされた詩たちもすばらしい。 戦後から本著出版(1979年)までの自由詩が主に採り挙げられているようで、宮沢賢治とかの超有名どころぐらいしか知らないけれど詩にちょっと興味があるような人たちが、さらに詩の世界を知るのに手に取るのにちょうど良いのではなかろうか。 "作者は別のところで、独断を恐れていては一篇の詩も書けないと言っていますが、私もそう思います" "詩のおもしろさは独断のおもしろさかもしれないのです。ちっぽけな独断か、深く大きな独断かの違いがあるだけで" p.222 本書の解説や意見もまた「独断的」なのかもしれないが、それもまた承知の上か。著者は恐れず良い詩とはを語る。
  • 2025年8月9日
    時間と自己
    他著の引用から木村敏に興味を抱き、本屋で漁って適当に選んで買ったみたら、精神医学と哲学思想が交差する深い鉱山の中にたどり着いたようだ "祭り"は過ぎ去り、現在と未来はこれまでの延長でしかないという感覚のポスト・フェストゥム。分裂病 "祭り"はこれからやって来るはずで、未知な未来に固執するアンテ・フェストゥム。鬱病 今が"祭り"のさなかであり、直接的な現在を生きるイントラ・フェストゥム。癲癇・躁病 「私は……である」という主語的な自己と「……は私である」という述語的な自己。それらの相補的・反復的関係性 哲学思想系の本は抽象的な思索にずっと終始してとっつきづらいことが多いけど、本書は、身近な問題である心の病気をバックボーンとし、実際の患者のインタビュー例などを交えることでけっこうとっつき易い(あくまでも比較的だが)。著者のほかの著作は読んだことはないが、新書ということもあって読みやすくまとめられている方なのかしらん? 時代を超える名著ですね
  • 2025年7月27日
    人間の条件
    人間の条件
    完読した、というか大体?読んだという感じだが、一応の区切りとして投稿しておこう。人間の活動を「労働」「仕事」「活動」の3つから捉えたアーレントの主著で、多くの哲学書の古典と同じようにムチャクチャ読みづらい(古典の中ではマシな方か?)。「よくわかる〇〇」みたいな、やさしくやさしく噛み砕かれた書籍に慣らされた現代一般ピープルには大変だったぜ 読みづらいんだが、一文が含意する内容が異様に深いから面白い。アーレントの「労働」「仕事」「活動」の枠組み分けには絶妙な説得力があり、使い易い。人文書における「人間の条件」の引用は未だに多く、現代社会を考えるうえでの応用可能性の高さを感じさせる。 本書はアーレントの思想・洞察があますところなく含まれたものらしく、「労働」「仕事」「活動」の話に限らず、さまざまな「アーレントが考える〇〇」が著されている。國分功一郎が最近の新書で「目的」に関するアーレントの考えを本書から引いていてびっくりした。アーレントが本書中で「多くの著作家たち」が「マルクスの思想と洞察の大きな宝庫から公然隠然と多くのものを借りて」いたと述べているように、本書もアーレントの思想と洞察の大きな宝庫なんだな 普通の読書のように最初から最後まで連続して読もうとしても分厚くて大変なので、興味の湧いた節の単位でつまみ食い的に読んでも良いと思う。というか自分もそういう風に読み進めた。あとは、上記のように色んなことが書いてあるので、自分の問題意識や興味関心と繋がりそうな熱い一文や箇所を探しながら読み進めると、飽きずに読めると思う
  • 2025年6月21日
    心を病んだらいけないの?
    対談本が持つ、お互いに出し合う意見や知識が誘発し合いながら話が膨らんでく感じってやっぱいいよね。これは特に、六回に及ぶ対談を圧縮・整理して作られた本のためか、話にダレたところなく濃厚。この二人なら鉄板だろうと読む前から思っていたけれど。さすが小林秀雄賞 狭義・広義の心の病を主題に置きながら、色んなネタ(学問的知見)が出てきてオモシロ〜。時間意識の「祭り(フェストゥム)」の前・後・最中・間の考え方とかめっちゃ勝手に応用していきたい。引用されている本も掘りたい。精神医学系もまた色々漁ってみるかー。やっぱし面白い本はさらに本を呼び寄せるな
  • 2025年6月14日
    〈選択〉の神話――自由の国アメリカの不自由
    〈選択〉の神話――自由の国アメリカの不自由
    選択には社会的・経済的・心理的な制限が存在し、純粋で自由な選択がありえないことの解説。さらにそこからリバタリアン的な自由市場信仰や無規制無干渉信仰への批判が展開される。前者の方は行動経済学や心理学の書籍やウェブサイトでたくさん解説がある時代なのでそこまでの新しい知識は得られなかったが、白眉なのは第七章の自己責任に関する議論。よくあるナイーブで感傷的な「自己責任」批判から、一歩進んだ分析が読めた。 著者は自己責任を選択的自己責任と分別的自己責任に分け、前者は自分で決断しろと繰り返すだけで「決めるにあたって何の助けにもなりはしない」と指摘する。ノーヘルでバイク事故を起こして重傷を負った人がいても、「自己責任だから」と救急車を呼ばない・治療を受けさせないなんてことは結局できないのだから、本人が選択の結果を最も受け止めるにしても社会や他者もそれなりのコストや労力を払わざるえないのだから、選択にある程度の社会的な規制や干渉(この場合で言えばヘルメット着用法律義務化とか)は必要でしょという理屈はとてもアクチュアルで鋭い。
  • 2025年5月19日
    東京都同情塔
    東京都同情塔
    芥川賞受賞作に言うのも失礼な話だけど、グルーヴ(本書の言葉でいえば「フロー」)の効いた読み易い上手い文章で、グイグイと読まされてしまった。バベルの塔や言葉の壁がモチーフなのに、小説そのものはとても読みやすいというアンビバレンス。著者の他の作品も読んでみたい 場面や状況の展開そのものはミニマムで、ほとんど登場人物の思考や会話で占められる。何やら社会性や政治性を誘起する設定の小説だが、良くも悪くもテーマの重さは感じさせない。宣伝されてない本書のもう一つのテーマは建築・建築家の持つ欲望についてだと思うが、個人的はそちらの方にアクチュアリティを感じ、今後も気になりそうな概念だ。 些細な点だが指摘しておくと、登場人物に死去をもたらすために精神的な異常者を物語ご都合的にその場限りで用いるのは好きじゃないな、とサラ・マキナのように頭の中の検閲が
  • 2025年5月19日
    増補改訂版 スマホ時代の哲学 「常時接続の世界」で失われた孤独をめぐる冒険
    スマホによる「快楽的ダルさ」と「やわらかな昏睡」状態と、絶えず成長していないと置いて行かれるような切迫感から「ハイテンションな自己啓発」状態を行き来する現代人。 そこへの処方箋として書かれた本だが、自分的グッとポイントは、各人の中に多様性や複数性、本書の言葉でいえば「他者」や「モヤモヤ」が存在することが重要という点。いわゆるDEI的・SDGs的文言の世界では、多様な人たちの存在を認められるべきという普通の意味での多様性は想定されているが、こういう一人ひとりの中の多様性みたいなものはあんまり想定していない気がするね。(もちろん普通意味での多様性が守られることもとても大事) 読んでいてもう少し具体的な方法論やアプローチを書いて欲しいなーと思っていたら、増補版追加Q&Aで補われてた。
  • 2025年5月17日
    皇帝の新しい心
    皇帝の新しい心
    人工知能が人間のような意識を持つかを考察した書物だが、どちらかというとその背景となるチューリング、ゲーデル、相対論、量子力学などの重厚な記述・考察が大部を占めており、自分はノックアウト、読み通し切るのは難しい…… 概要文では「著者ペンローズは、現在の物理学にはきわめて重要な基本的洞察ー量子重力論ーが欠けており、それが得られない限りは、心を理解することは決してできない、と主張する」とあるが、著者はそこまで論旨明快に断定的結論を示しているわけでもない。少なくとも本書では。 現在ではペンローズの量子脳理論として知られるものの端緒となった書籍だが、専門書に近い本格的な書籍であり読む人を選ぶ。 ちなみに最高に妖しいカバー図は、複素三次多項式のニュートン法の吸引領域を色分けしたもの。書籍中で説明ないけど
  • 2025年5月3日
    君自身の哲学へ
    確か、この本でブリコラージュを知ったことを思い出した。立て板に水とは違う、思索の過程を晒すように、言葉で語り続けるようとする文体が良い 傷と皮膚。傷の少ない社会になったのはいいが、浸透圧高めに情報やイメージが入り込んで来る情報環境社会。全くそのとおり、やれやれどうしたもんか。条件付けと承認。著者も答えを保留するように果たして条件付けのない承認などあり得るのか?代わりに条件の形を多種多様に増やしていくのはどうか? 問いの中に居続けることは難儀で面倒で、その格好つけたポーズの割には大したことも捻り出せず、凡庸でダサい自分に嫌気が差すことばかりだが、それもまた一興、楽しんでいきたい。 「ある者は戦い、ある者は生み出し、ある者は学び、ある者は祈る。そうしながら、自分だけの仕方で、自分だけの問いを問わなければならない。それがこの地上に落ちてきた者のただひとつの使命なのだと思います。」
  • 2025年4月27日
    ひとりっ子
    ひとりっ子
    脳へのインプラントや機械化といったネタを使い、心や思考に係る事象を科学的な言葉を使って身も蓋もなく描写する、アイデンティティSFと呼ばれる作品群は、いまでもフレッシュに読める。「行動原理」「真心」「決断者」「ふたりの距離」 一方で、量子力学ネタにどうにも冷めてしまう自分には、表題作や「オラクル」は最初に読んだときもそうだったけどあんま楽しめない。なんとも浮いている「オラクル」のTV討論会は、ロジャー・ペンローズの主張に反論したい作者の個人的趣味でしょう
  • 2025年4月13日
    谷川俊太郎詩集
    谷川俊太郎詩集
    言葉あそび寄りのやつも良いのだが、中でも、情景と思考と世界と真理をするどく描写してくるやつらには((( ゚ д ゚ )))ハッっとさせられる。最近亡くなられたのでミーハーなノリで購入したんですが、少々舐めてたようだ。おそるべし…
  • 2025年4月6日
    コンサルは会社の害毒である
    コンサルがきらいなので、エコーチェンバーとフィルターバブルに包まれて気持ち良くなるために読んだ。しかし残念ながらコンサルDIS一辺倒ではなく、同じぐらいの文量が費やしてなぜ日本ではコンサルが意味ないのかという観点から日本の会社のダメなところを指摘される。内容は、ウーム、アメリカと比較したありがちな日本企業批判でツマラんかな。本書でも書かれているように経営コンサルは新自由主義・商業主義の徹底を内面化しているので、そもそもそういうアメリカ的な思想を企業側や日本社会も内面化しないと噛み合わないということだろう。もっとコンサルDISが読みたかったぜ。
  • 2025年4月6日
    庭の話
    庭の話
    近ごろ、社会についての問題提起や議論の記事を読むと、やたらと「コミュニティ」の建て直しや作り直しの必要性を述べて締めるみたいなものが本当に多いと感じる。「うーん、コミュニティねぇ…」と率直にそれ良いものだと思えなかったモヤモヤを、著者は明瞭に言語化してみせる。そして、オルタナティブとなる観念と指針を提示する。 実地訪問、文芸批評、インタビュー、先行研究紹介、古典読解、個人的エピソードと総力戦のような本で、思索と連想を誘う興味深い人文知がつまっている。展開される議論は常に問題意識に結びついており、文量は多い本だけど散漫な印象を与えなかった。 社会を論じた本だが、別に起業家や活動家ではない普通の人たちにとっても個人的な行動指針を取り出せる。「庭」を自分なりに言い換えると、昔からよく言われる人間関係に依存しない趣味を持っておくと精神的に安定できるというやつだ。個人的にもそういう趣味(庭的なるもの)を大事にしており、本書によりそれはまちがっていなかったんだなと勇気付けられた。
  • 2025年3月29日
    アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
    アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
    映画を観て、後に小説を読んだ。大筋は同じだが、映画とはプロットに大きく異なる点があり、映画には無いキャラクターや小道具やエピソードもあり、別物として味わうのが正解か(全ての原作作品と翻案作品に言えることだろうけど)。 人間とアンドロイドの違いという哲学的問いや神秘性も興味深いが、小説を通じて印象に残るのは、心身疲労しながら任務を進める主人公を通して見る「白昼夢」のような一日それ自体だった。主人公は最後ささやかハッピーエンドを迎えたが、イジドア君にも幸福あらんことを祈る。
  • 2025年3月22日
    レトリック感覚
    一見固そうな書名、表紙、レーベル名だが、語り口はとても優しく、学問的知見を見通しよく説明してくれる名著。それでいて著者の信念のようなレトリック観もしっかり語られ、それらもとても説得的だ。言葉の表現に何かしらでも向き合った人ならば、つまりほとんど誰でも、得るものがあり得ると思う なによりも著者によって小説や詩から解説用に選ばれた用例文が魅力的で、作家ってスゲー、言葉ってオモロー、とうなってしまった。「レトリックのことばのあやは一般に、名状しがたいものを名状せざるをえない、という欲求にこたえるための、やむをえない手法」と著者は言うが、自分はそこまで「欲求」を持って生きてきただろうかと自問する
  • 2025年3月19日
    構造と力
    構造と力
    内容盛りだくさんで全く消化しきれんが、読後感を小並感で言葉にすると「なにごとも構造をとらえることがとても大事なんだと思いました」となる。末尾の図表は眺めているだけで連想妄想飛躍が刺激されてよい。アツい箇所を引いておこう。 「同化と異化のこの鋭い緊張こそ、真に知と呼ぶに値するすぐれてクリティカルな体験に境位であることは、いまさら言うまでもない。簡単に言ってしまえば、シラケつつノリ、ノリつつシラケること、これである」
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