ないとうなみ "房思琪(ファン・スーチー)の..." 2026年1月17日

房思琪(ファン・スーチー)の初恋の楽園
小川たまこさんは解説に「(中略)性暴力被害の実態とは、フィクションの中でしか表すことができないのではないかと考えてしまうことがたびたびある」と書いている。「フィクションの中でしか描くことができない」、ノンフィクションとして書けば、性暴力を受けた側は詮索され、責められ、中傷されて、感情まで都合よく変えられてしまうことが簡単に想像できる。あったこと、あった気持をそのまま読み手に受け取らせるには、フィクションにするしかない。それもまた変な話。 「房思琪の初恋の楽園」は、性暴力被害のひとつの実態を突きつける。作者の林は、思琪を書いてなお「書くことしかできない自分が、わたしはとにかく憎い」と言った。その言葉は私に跳ね返る。読み手である私は、何を想像してどこまで考えて生きていけるだろう。
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