ユメ "わたしたちの島で" 2025年11月3日

ユメ
ユメ
@yumeticmode
2025年11月3日
わたしたちの島で
わたしたちの島で
アストリッド・リンドグレーン,
尾崎義
すぐれた物語との出会いはひとの財産になりうると常々思っているのだが、10代の頃から愛読しているこの『わたしたちの島で』もまた、私にとって宝物のような一冊である。 夏の休暇にウミガラス島へやってきたメルケルソン一家と島の人々(そして、愛すべき動物たち!)との交流が幸福感たっぷりに綴られた物語。子どものような一面を持つ父親メルケル、しっかり者の長女マーリン、いたずらっ子な双子のユーハンとニクラス、そして大の動物好きな末っ子ペッレ、いずれの視点からも島での暮らしが活き活きと描き出されており、スウェーデンの美しい自然、家族愛や世代を超えた友情、そして我が家というものの持つ温かみが、読む者を魅了する。 中でも胸に響くのは、リンドグレーンが子どもから大人までの喜怒哀楽を余さず映し出したうえで、人生を輝きに溢れた素晴らしいものとして描いていることだ。本書の「今日この日が人生」という台詞が私は本当に好きで、座右の銘とさせてもらっているのだが、それもひとえにこの物語が人生を喜びに満ちたものとして語りかけてくれるからである。 また、「この世は悲しみの島なんかじゃない」という台詞も、自分が大人になるにつれ、ますます深く胸を打たれるようになっている気がする。最終章の幸福感といったら、あまりのまばゆさに胸を締めつけられるほどだ。
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