
だむ
@p0se1-d0n
2025年12月16日

心より心に伝ふる花
観世寿夫
読み終わった
「おお ! 神よ!」昔、新劇のベテラン俳優が若手に苦言を呈しているのを読んだ記憶がある―「狼よ」に聞こえる―(おお!が台本にどう記載されているかは知らないけれど)。
これを「セリフが下手」と片付けてしまってはいけない。西洋演劇とはまるで水源を異にする能の世界において、観世寿夫は、そして600年以上前に世阿弥は遥かに核心を摑んでいる。ここで乱暴に纏めてしまえば「実存」がなってないのである。演技とは。俳優とは。美しく力強い言葉があちらこちらに散りばめられている。世阿弥と観世寿夫の対話はローカルなものを突き詰めれば普遍に到達するというこの上ない見本だ。読了後改めてこの文庫本の口絵に採用された観世寿夫の写真を見る。ヒトはこういう風に「そこに居る」ことができるのだ!
花のように。
