紅井 殻
@akai_kara
2025年12月18日
わが闘争(上)
アドルフ・ヒトラー
読み終わった
面白いか面白くないか?
そう問われると面白くはない。上下合わせて900ページ(しかも1ページあたり、パンパンに文字が詰まってる)通して主張していることは反ユダヤ主義の正当化であり、章によっては不愉快に感じるレベルなので。あと純粋に回りくどい表現や抽象的な表現が多く、読むのが疲れるというのもある。
そんな本だけども個人的には多くの人にオススメしたいという思いがある。極端な言い方になるけども、高等教育を受けた人はヒトラーの言っていることが偏見に満ちていると分かるが、受けていない人は額面でそのまま正しいと受け取ってしまうかもしれない。
実際に読むと分かるが、ヒトラーは900ページに渡ってベラベラ喋っておきながら、まともな参考文献は一切出していない。じゃあ全部嘘か?というとそうではなく、ちょいちょい事実が紛れている。ただ事実と事実の間が遠く離れていて、ヒトラーはそれら島々の間に橋をかけるように補間しているが、その橋は偏見に満ちた歪んだ橋なのが問題。大学などで客観的に物事を見るように十分訓練を受けた人なら、偏見に満ちた橋に気付いて慎重になれるが、訓練を受けていない人は事実という島々に目が眩んでしまい、安心して橋を渡ってしまうかもしれない。
SNSを眺めていると事実をつまみ食いして、偏見と事実をごちゃ混ぜにした文章を平然と垂れ流す人がいる。人間は完璧ではないし、どんな議論も事実と事実の間を主観で補間する以上、偏見の混入を完璧に防ぐのは難しい。でも、防衛はある程度できるのではないだろうか?できる限り事実(エビデンス)を揃えることで島々の距離を狭めて、主観が入り込む余地を小さくすることは可能でないだろうか?
少なくとも私は、本書を読んで客観的に物事を見るように心がけたいと思った。