うみうし "「戦前」の正体 愛国と神話の..." 2025年12月20日

うみうし
うみうし
@umiushi0305
2025年12月20日
「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史
あまりにも覚えのある流れ… p284-285 言い換えれば、「プロパガンダをしたい」当局と、「時局で儲けたい」 企業と、「戦争の 熱狂を楽しみたい」 消費者という三者にとってウィン・ウィン・ウィンな利益共同体が、 軍歌という空前の国民的エンターテインメントを生み出したのである。 別に古臭くマニアックな話ではあるまい。現在でも、衝撃的なニュースが飛び込んできたら、便乗的なウェブ記事などがたくさん出てくる。消費者もそれを積極的に受容している。そして政府もそれに乗っかって予算や法律を通そうとしたりする。独裁的な司令塔があるわけではなく、ただ空気によってなんとなく流されていく。 この「波乗り」は日本社会でよくみられる現象だ。 戦前における神話の受容にも、似たところがあったのではないか。たしかに当初は、「上 からの統制」が大きかった。ところが、途中から「下からの参加」が加わった。やがて国体論というネタがベタになり、政府をも拘束するようになった。 この神話国家の興亡こそ、戦前の正体だったというのが本書の見立てである。その構成要素たる教育勅語や軍事儀礼などをバラバラにみて、「日本スゴイ!」 「いや、戦前回帰だ!」 といいあっても生産的な議論にはならない。
「戦前」の正体 愛国と神話の日本近現代史
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