
紬
@tsumugu
2025年12月20日

夜行観覧車
Audible Studios,
安田章大,
湊かなえ
読み終わった
audible
「誰か」「世間」の物差しに合わせて、少しでも高みを、という思いに囚われた女性たちの引き起こす狂気が描かれている。
それと対比される存在として描かれる、高橋家のきょうだい3人の選択に、とても考えさせられた。
「家族の罪は外部の人には裁けない。家族のことは、自分たち家族が本当のことを知っていればそれでいい」。
自分たちは、「世間」の好む餌は与えないし、「世間」の声を聞くつもりもない。ただ、まだ社会の中で無力な自分たちが自立するまで、必要な助力は受ける。そのために必要な文脈は提供します…
とても強いありようだ。
一方で、遠藤家も。
人には、多かれ少なかれ、人に見られなくない醜い感情や、コントロールできずにしてしまう行動がある。
それが露呈してしまって、逃げたくなっても、自分は今の場所で生きていく。
そのために、「きっとバレてない」と頑なに目を逸らしながら生きていってもいい。でも、それでは幸せとは程遠い。
遠藤家が最後に辿り着いた、「どんなにひどい状況でも、家族が一緒にいて今日を乗り切れたら、明日もなんとかなると思える」。
心がヒリヒリ痛くても、どんなに泥まみれでも、その場所で前を向いて生きていくことはできる…
これも、人の強さだと思う。
昔、小学校の担任から贈られた、「人生は、重荷を背負いて、遠き道を行くが如し」という言葉を思い出した。

