
kasu.
@11uyksm
2025年12月20日
かわいそうだね?
綿矢りさ
読み終わった
文庫本
積読くじ
積読くじ10冊目📕
恋人が元カノを居候させると言い出したのに対して色々とモヤモヤする樹理恵を描く「かわいそうだね?」と、女子同士の複雑な友情を描く「亜美ちゃんは美人」の中編2作が収録。
綿矢りささんの作品はこれが初。
女性目線のあるあるを鋭く描いてるイメージを勝手に持っていたので答え合わせをするような気持ちで読み始めた。
《かわいそうだね?》
💁♀️読み始めて早速違和感。彼氏の隆大が海外育ちで外国の感覚が強めだからか、なんか妙に共感ができない…
そして主人公の樹理恵にも違和感。『本当にそれでいいのか?』と言いたくなる。
💔隆大の家に居候する元カノ・アキヨと、それをよく思わないので追い出そうと考える自分を「火垂るの墓」に登場する“西宮のおばさん”に重ね合わせて考える場面。(P.67)
ようやく共感できると思ったら火垂るの墓…
SNSでも時々、西宮のおばさんの対応について議論されるけど、私は嫌い派。大人気ないおばさんを見ていると嫌気がするので嫌い。
🧑🧑🧒「大人になっても心が広くなるわけじゃなくて、いつまでたってもごく一部の人間、本人を軸にしてコンパスで描いた小さな輪の内側にいる人々しか“身内”と思えないのだなと感じた」(P.68)
悪者にしか見えない西宮のおばさんだけどここの部分は共感ができて、結局私もおばさんと同じ心理なんだなって気が付いた。
🚗 「ドライブの時〜・・・バックするときのドライバーのお男性の仕草がセクシーと言う女性は多い。しかし私は〜・・・日の光に目を細め、運転席の庇(ひさし)をかざしたり、日陰に入ると戻したりする仕草がセクシーだと思っている。」(P.111)
なんだか妙にリアルなところをついてくるなぁと共感。これにプラス、サングラスをかける仕草が入っていたら「それそれ!」と強く共感出来たのになぁなんて。笑
🧳旅行にて隆大のケータイを盗み見る場面。(P.119)
浮気を疑う女性あるあるな行動だなぁと思いつつ、その内容がまたなんかリアル。
📩アキヨに対して最初から『なぜ?』と思うところはあったけど、このメールのやりとりからしてこの女性があざとい・もしくは計算高い女認定。(P.120~P.129)
🫣「自分のメール思い出してキャアアってなるなんて、意味ないにも程がある」(P.131)
ここがまた凄くあるあるな場面。歯磨きとか髪乾かしてる時に不意に思い出して『うわぁ〜』ってなるの、なんでだろうね?
💢遂に樹理恵がブチ切れる場面は読んでいて爽快。
『そうそう、女ってこうでなくちゃ!』って言葉の連続で、最後の最後にようやく気持ち良く読み進められた場面。(P.141~P.156)
⭐️最初は海外育ちの彼やそれに寄り添おうとする主人公の姿に疑問しかなかったけど、だんだんと共感できる。なんなら終盤はほぼ共感。リアルな女の感情を見せられた。
そして、最初のイメージと最後のイメージの変化。私は違うと思っていたけど、実はおなじだった…みたいな感覚。なんだか火垂るの墓の西宮のおばさんの時と同じ構造だなぁと。(以下この現象を【西宮のおばさん構文】と呼ぶ)
《亜美ちゃんは美人》
さかきちゃんは美人。だけど亜美ちゃんはもっと美人。亜美ちゃんはさかきちゃんの真似をしているのに、周囲からはさかきちゃんが真似してると思われがち。容姿が優れているってだけで何でも優遇され、スクールカーストでもそれが著しく力を発揮する。
🙋♂️亜美ちゃんの彼氏が体育祭に来てみんなに紹介する場面。(P.169~P.172)
紹介される前から目を惹きつけられる男性が亜美ちゃんの彼氏だとわかってしまった瞬間のさかきちゃんの反応がとても好感を持てた。亜美ちゃんのことを好きになれないさかきちゃんは皮肉にも亜美ちゃんと馬があってしまう。この場面が一番強くそう感じた。
💞「そうなんですよ、敏腕マネージャーです。今日の飲み会も、亜美に近づいてくる男の人が来たら、はねつけちゃいますからね!」(P.175)
この悪気がないであろう一言で周りの男子たちのさかきちゃんへの態度が決まってしまった瞬間。切なすぎる。男子達のその後の言葉もまた酷いもんで、さかきちゃんをこの場から逃がしてあげたくなった。
❤️🩹「私が笑っていさえすれば、本当に楽しんでると思い込んでる。人の痛みが分からない子だ。」(P.177)
ここはもう共感の嵐。何も言い返せない場面で好き勝手言われて、もう少しこっちの気持ちに寄り添った言動してよ!って心の中で凄く思った。
👿ときどき現れるブラックさかきちゃんが痛快。(P.178)
⁉️大学を卒業して就職した2人。亜美から「新しい彼氏ができた」と言われて会いに行く。待ち合わせ場所に現れた亜美と彼氏にさかきちゃんは驚く。(P.205~P.211)
🤨「本来眉毛のある位置に眉毛がなく、薄いねずみ色だった。剃っているのだろうが、なぜ剃らなければいけないのかが分からない。」(P.212)
さかきちゃんの着眼点が鋭すぎる。私もこのタイプの眉の剃り方をする男の人が苦手。ロクな人じゃない感じがさかきちゃんのフィルターを通してビンビンに伝わってくる。
🔚 結局このお話も最後まで読んでみたら【西宮のおばさん構文】に私はなった。共感が出来ない(しづらい)、複雑、なイメージから読み進めていくとある時を境に共感が出来ていたり、自分もよく考えたらそうかもと気付かされたり。綿矢りさマジック。
そしてあるあるな細かい描写が多くてとにかくリアルなのでイメージも湧きやすかった。
結果、綿矢りささんの作品は女性目線あるあるばっちりでした。特に今作「亜美ちゃんは美人」が共感の嵐。すごい。

