oheso "きのこのなぐさめ" 2025年12月20日

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2025年12月20日
きのこのなぐさめ
きのこのなぐさめ
ロン・リット・ウーン
ある日、ロンは夫エイオルフを急病で亡くしてしまう。悲しみを抱えながら夫の国ノルウェーでひとり暮らすロンが市民講座で出会ったのは、きのこだった。ノルウェーの森、ニューヨークの公園、近所の花壇。ロンは文化人類学者としてモースの「贈与論」なども引き合いに出し、きのこを巡る人間の興奮に巻き込まれながら、ノルウェーと自らの故郷マレーシアの死生観の違いを見出す。動物界に収まりきらないきのこの曖昧な生体に惹かれていくうちに、ロンの「ごく個人的な悲しみ」と、「きのこが存在するこの世界」が混じり合う。 個人の知性により広がっていく世界と、喪失感を心身が受け止めるためのスペースは比例しているようで、そのプロセスは美しくもあるし、現実を知性で意味付ける危うさにも読める。ロンがきのことエイオルフを語る言葉は鋭利だ。
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