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  • 2025年8月19日
    野生のしっそう
    異質な存在を勝手に解釈し、行政的判断に基づき管理する社会。どのような状況でも、自らの内面にのみ従い、野生の力をまとうかのようにしっそうする兄。兄の経験や思考を追いながらも、あくまで兄を理解するのではなく、自分自身の思考の仕方を問い直す著者。他者といっとき時間を共にし、身体性を共有することで、「誰かを人ではないものとして扱う思考に対して、抗うための思考」を本書は探し続ける。
  • 2025年8月15日
    ジェリコの製本職人
    ジェリコの製本職人
    紙を折り、糸でかがり、本を仕立てる。その手仕事は人と本の密接なコミュニケーションだ。ことばを集める妹モード、ペギーの学びへの想いを支えようとする仲間たち。本と人、人と言葉、人と人が結び合う網の目が、学びたいと願うすべての人に可能性を開いてくれる物語だった。
  • 2025年8月9日
    日記の練習
    日記の練習
    書いたり書かれなかったりする日々の「日記の練習」と、月に一度の「本番」。おもしろくて巧みな日記には、ことばになりづらい感情がそれでもことばへ向かって輪郭を得ようと悶えた痕跡や、一瞬を捉えたきらめきがあるのだと知る。そんな技術は自分にはないのにと思うのに、それでも日記を書きたくなる本だった。
  • 2025年7月27日
    モリでひと突き
    山形大学在学中にサークル活動としてモリ突き式の魚取りにハマり、そのまま国立科学博物館の魚類の研究者になっていく著者の学生〜社会人の記録。 魚取りがいかに楽しいかが素直に綴られていて、無謀で仲間との距離が近く発見ばかりの青春時代が眩しい。 著者も作中で触れているが、「青春」が「経験」によって失われていく寂しさと「経験」を積み上げた先にまだ何かあるかもしれないと信じたい瞬間みたいなものも描かれていた。あと魚が食べたくなります。
  • 2025年7月21日
    羽田圭介、家を買う。
    作家、羽田圭介が家を買うまでの話。何をするにもよく調べており、体験記としても参考になるが、時折現れる小説家の文体で銀行や不動産会社、売り手等とのやり取りが語られていくため「いま自分は何を読んでいるんだろう」と困惑するおもしろみがあった。「投資」と「家を持つこと」のあいだがじわじわと浮かび上がっていく展開も納得感あり。
  • 2025年7月20日
    新版 名作椅子の由来図典
    古代エジプト(5,000年前!)から現代に至る名作椅子たちの歴史、ルーツ、作製秘話。ウィリアム・モリスのアーツアンドクラフト運動やそれに連なるアール・ヌーヴォー、日本の民藝運動といった文化的転換点及び新素材の登場のようなテクノロジーの特異点のたびに起こる椅子の進化がおもしろい。デザイナー名と名作椅子の特徴・優れている点をざっくり追えるので「『良いとされている椅子』ってどういうことなの」みたいな気持ちに応えてくれる本でした。
  • 2025年7月19日
    水上バス浅草行き
    あかるく素直で柔らかな世界の中にも一瞬沈み込むような感情があり、とても人の気配があった。印象に残った句、9つ。 「働いて眠って起きて働いて擦り減るここは安全な場所」 「文通はきっと私で終わるだろう遣跡のようなしずけさの町」 「Yeah!めっちゃポリデントって送ろうと入れ歯の絵文字探してた ない」 「前をゆく知らない人が曲がりたい角の全てを曲ってしまう」 「パスワードの中に犬の名住まわせて打ち込むたびに君に会いたい」 「人間はいつも勝手だ 愛犬をドクはふざけた車に乗せて」 「ほとんどもうセックスだった浮ついた気持ちでなぞりあうてのひらは」 「食べてみる? 差し出したのがなんなのか確かめもせず君は頰張る」 「教室じゃ地味で静かな山本の水切り石がまだ止まらない」
  • 2025年7月13日
    動物工場
    動物工場
    黒い動物たちが住む「ジダダ」と呼ばれる“架空の”国が、白い動物の植民地支配から独立を果たしたのちに歩む“現在”の物語。
  • 2025年7月5日
    きみはメタルギアソリッド5:ファントムペインをプレイする
    作者のジャミル・ジャン・コチャイはパキスタンの難民キャンプが出生地の1992年生まれ。ゲームやネットなど我々の目の前にあるポップカルチャーと、今も続く紛争やアメリカとイスラム教圏の関係性含む作者のルーツを接続していくような短編集。
  • 2025年6月22日
    新しい恋愛
    新しい恋愛
  • 2025年6月17日
    歌集副読本 『老人ホームで死ぬほどモテたい』と『水上バス浅草行き』を読む
  • 2025年6月7日
    君が手にするはずだった黄金について
    「【物語をつくる】という行為の構造」「なぜ語り、語ることで何を失い/何を得るのか」についての連作短編集。 小川哲はどちらかというと世界観がしっかりと構築された「物語のおもしろさ」を味わえる小説を書く作家だとこれまでの本から感じていたけれど、今作は「語りに関する感情の機微」に表現の重きがある様な気がして、少し違った手触りだった。
  • 2025年6月5日
    らせんの日々
    らせんの日々
  • 2025年6月1日
    中動態の世界
    中動態の世界
  • 2025年5月22日
    「勤労青年」の教養文化史
  • 2025年5月15日
    清く正しい本棚の作り方
    清く正しい本棚の作り方
    書籍化の元になったホームページでもほぼ読めるが、本書はその内容に加えて後半に本棚制作過程が写真で収められており、これが大変分かりやすかった。 “家具屋で売られている本棚は、我々の理想の本棚とは大きく乖離したものばかりだ。最大の不満は天井まで届く高さがないことで、その割にやたら奥行きばかりあり過ぎる。(…)探し出して買ってみたら、これがなんとも弱々しいペコペコの棚板だ。(…)必ず棚板が垂れ下がり、気が付いたら誠に「みすぼらしい」姿に成り下がってしまう。” (『清く正しい本棚の作り方』P.6)
  • 2025年5月10日
    ベオグラード日誌
    セルビアに暮らす詩人の2001年から2012年にかけての記憶。作者が書き留める冷めた日本語は、その時間を生きた人たちを同情や哀れみのみに決して回収させない強度がある。その強度は「誰かに届くべき」と願われた、ひらかれたことばであるが故なのかなと思いました。
  • 2025年5月3日
    傷のあわい
    傷のあわい
    著者の宮地尚子がアメリカに滞在していた際、精神科医として邦人にインタビューした内容をもとにしたエスノグラフィー。日本とアメリカの差分の中で傷つき揺れる人間が「物語」として語る、あるいは語られないことば。同作者の『傷を愛せるか』が話題だそうで、それに合わせての復刊みたい。「医療民俗学」との表現を初めて知った。
  • 2025年3月16日
    痴人の愛改版
    痴人の愛改版
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