
蒼凍星
@ClarideKieferBurgin
2025年12月23日

目的で探すフォント見本帳
タイポグラフィ・ブックス編集部
文字組みした時にフォントがどんな印象になるのか手早く知りたくて、資料用に購入したと思うのだけれども、面白い本なのである。
『目的で探す』と本のタイトルにあるくらいなので、項目が目的別になっていて、そこが面白い。なぜ面白いかというと、どうしても人は「主観」から脱せない、という事がフォントからわかるからである。
たぶんコアユーザーは何らかの関連職業人向けで、「こんな感じで」と注文されたがしかしあなたの「こんな」てどんな「こんな」なんすかまずはそこから、と常に格闘して日銭稼ぐ人種なんだからわかるでしょ的な投げやり感あり。
「和菓子のロゴに使えそうな」は、若干のそうかなぁ感があるものの良しとして、「女流小説にあいそうな」や「翻訳小説にあいそうな」から、だんだん漠然としてくるわなー、となり、「銅板に彫ったような」「スポーツにあいそうな」においては、いやーそうかなぁーwwとなってきて。誰のなにの目的別なのかもわからなくなって、自分のこの説明も全然わからなくなるという。
まったくもって制作されたスタッフさんたちのご苦労が偲ばれる、という本なのである。
日本語で形容したことを万人が正確に共有する、ということは大変でありますな。というかきっと不可能なんじゃないかな、と思われて。
千差万別。