
時雨崎
@rainstormbook99
2025年12月27日

カササギ殺人事件 下 〈カササギ殺人事件〉シリーズ (創元推理文庫)
アンソニー・ホロヴィッツ,
山田蘭
読み終わった
巨匠へのリスペクトとミステリ小説への愛を感じる。これでもかというほどに作りこまれた二重構造の本格ミステリ。
クリスティをもっと読まねば…自分がイギリス人でないことをこんなに悔やんだことはない。英国のミステリドラマ事情にも触れ、ロンドンの地下鉄名とリンクし、英語の言葉遊びを絡め…これをイギリスで育ち母国話者として原文で楽しめる読者が心底羨ましい。翻訳、辻褄合うように頑張っているなあ…
本文135−136でクリスティの元ネタはこれだよって丁寧に解説してくれるので助かる。
ほなホームズと違うか…と思ったけどフーダニットとしてはホームズ読者的に予想はついた。どちらかと言えば作中作の解き明かしの方が面白かったし鮮やかだったけど、物語的になんと皮肉な…申し訳ないがそれはサー・ドイルにも言えるのでやはりリスペクトなのか。
一箇所、表現であれ?と思ったところ。
「確実なことなど何もないこの世界で、きっちりと全てのiに点が打たれ、全てのtに横棒が入っている本の最後のページに辿り着くのは、誰にとっても心の満たされる瞬間ではないだろういか」
調べたところ、英語特有の慣用句なのだそう。手書きで英文を書くと(とりわけ筆記体で書くと)、iやtの点や横棒は最後に仕上げで、転じて「細部に至るまですべてを完璧に行う」ことを指すのだそう。
これは注釈がほしかったな…


