

時雨崎
@rainstormbook99
SFとミステリを中心に色々読みます。
- 2025年5月22日ある閉ざされた雪の山荘で東野圭吾読み終わった紛うことなき表紙詐欺、そしてタイトル詐欺。 そんなちょっと捻った仕掛けは最初の方で明かされるからな〜んだ、と思いきやそこから展開される話の構造にはもう一段二段の底がある。 さくっとまとめ上げるのは東野圭吾らしい卒の無さがある。 推理小説のクオリティとは関係ないけど仮面荘に続いて一人称語りする主人公の性格がいまいち好きになれない人格なのはなんなのか…
- 2025年5月19日「好き」を言語化する技術三宅香帆読み終わった心に残る一節"自分と推しとの関係に他人の感情を入り込ませる必要、なくないですか?" (本文抜粋) 面白い!好き!と思ったのにSNSを開いて否定的な意見見たらそうでも無い気がしてきただとか、他人の言語化で満足して自分が本当に感じたことが流れて消えて行ってしまったりだとか… 残念ながら人間の思考というのは非常にあやふや。簡単に影響される。 だからこそ自分の感じたことを自分自身で言語化して書き出してみれば、自分の「好き」をもっと大事にできる。 "一度「好き」を言葉にして残しておけば、その感情は自分の中に残り続けます" これはいつも自分が面白い本を読み終わった時に感じていること。何も残さずその感動が風化していくには勿体なさすぎる本がこの世には多すぎる。 さくっと読める手軽な新書で、内容は簡単だけど大変共感できる本でした。
- 2025年5月18日英国の幽霊城ミステリー山田佳世子,織守きょうや読み終わったやっぱヘンリー8世ってクズだわ。 そこが面白いんですけどね。 イギリス各地にある城に出る幽霊について、中世の古城から今も王族が住むバッキンガムまで、満遍なく解説。確かに怪奇現象的なことはあるようだけど大体は害がなくただ現れるだけ、英国人も怖いとかは無い模様。なんといっても国王が住むバッキンガムにまで出るから… もともとは雑誌 建築知識に連載されていたコラムらしく、全部間取り図がある。本文ページでもフルカラーイラストが多くて大満足。
- 2025年5月10日ガニメデの優しい巨人【新版】ジェイムズ・P・ホーガン,池央耿読み終わった「星を継ぐもの」 の続編。残った謎であるガニメアンなる存在のこと、そして彼らがなぜ「ルナリアン」の始祖を含めた地球の生物をミネルヴァに運んだのか、ミネルヴァ原産の生物はどうなってしまったのか… 前作よりちょっと難しい、けどやっぱりミステリー仕立てになっていて壮大な構想が面白い。やっぱ物理的にも時間軸的にも天文学的なスケールの仕掛けは圧倒される。
- 2025年4月29日
- 2025年4月28日シャーロック・ホームズの護身術 バリツエドワード・バートン゠ライト,新美智士,田内志文読み終わった「でもぼくは日本の格闘術であるバリツを少々かじっていて」…バリツ?? いったいバリツはなんなのか。いかなる武術だというのか。日本人は何も知らないぞバリツのことなんか。 元ネタと思しきバーティツの戦法についてかなり実践的に解説してくれる。絵付きで。紳士はこう闘う。なるほど。なるほど?一体何を読んでいたのだろうか私は。 タイトルがもうずるいんだ。本屋で平積みにされてたら買うしかないだろう。
- 2025年4月27日後巷説百物語京極夏彦読み終わった心に残る一節(引用) 部屋の境界が消えている。 もう、言葉しか見えない。 言の葉が明確に像(かたち)を結ぶ。 なる程、こうして物語の中に入るのか。 昔と今を入れ替えるのか。 今は昔。 めちゃくちゃ京極作品らしい文章。 百介さん…! 続巷説のショッキングなラストだったのでどう続けるのかな?と思った負けず劣らずショッキングなラスト。 最後2話で鉄鼠の檻と陰摩羅鬼の瑕にリンクしているので京極ファン的にはニヤリな感じ。
- 2025年4月26日予言の島澤村伊智読み終わった本土と隔絶された孤島…祟り…因習…霊媒師の予言…オカルトの噂を冷やかしに旅行…何も起こらないはずはなく(ミステリー的に) ホラーかな?ミステリーかな?と疑いながら読んでたら斜め上の方向に怖いオチが待っていた。 アンフェアでは〜〜〜〜???という気持ちは無くも無いけど、単純にそれは何か…怖い。すごく…怖い…。
- 2025年4月23日プロジェクト・ヘイル・メアリー 下アンディ・ウィアー,小野田和子,鷲尾直広読み終わったSF小説に出てくる如何にももっともらしい科学的説明って……良い!!! 読み始めはアメリカSFらしいエンタメのノリで軽く楽しめる。読み終えた頃には…生物学って…おもしろ…!(もちろん小説のこじつけではあるものの) 宇宙SFは宇宙物理や量子力学、太陽系外の知的生命体の可能性について想像を膨らますパターンが多いイメージだけど、これはメインが生物学。進化論。新鮮で良い切り口。科学の実験は面白い! そして…最後までアメリカ的なエンタメへの期待を裏切らない…!読後感スッキリで楽しく読めるSF。
- 2025年4月18日プロジェクト・ヘイル・メアリー 上アンディ・ウィアー,小野田和子,鷲尾直広読み終わった
- 2025年4月16日狐花 葉不見冥府路行京極夏彦読み終わった心に残る一節「お前の幽霊は、私が見よう」 珍しく分厚くない京極夏彦。歌舞伎の脚本用の書き下ろしたものなのでサクサク読める。 彼岸花の着物を纏った美貌の男性 萩之介が、とある家とその関係者たちの前に現れる。しかし彼は、痴情のもつれで密かに殺されたはず。彼は幽霊なのか、それとも。 少しずつ明らかになっていく過去の因縁はさすがの話の上手さ。 話の閉じ方が物悲しくやりきれない。憑き物落としをするのは「百鬼夜行シリーズ」の中禅寺秋彦の曾祖父にあたる御方。あれの雰囲気が時代劇的な舞台に、そしてコンパクトにまとまっている。 今後の京極作品布教の候補になりそう。
- 2025年4月12日言語表現法講義加藤典洋借りてきた読み終わった心に残る一節1996年出版で大学講義を元にしており、SNSの気配がない。この文の構成の方がこう感じるだろう、といった読み手に関する考察はズレを感じるかも。でも変わらないものもある。時代を経ても良い文章のままでいられる文章もあるから不思議。 以下は好きな箇所の抜粋。 p. 103 もしわれわれが一人だけで生活しているとしたら、われわれは言葉なんてもつことはない。言葉を持つということは、外側の社会がわれわれのなかに入りこんできたことで、内面化された会話です。他人とのやりとりが内面化されて、自分一人でそれをもういっぺん演じている。 p.137 何かを感じたら、それを離れて、それが政治的にどうか、それを書いたら相手に、教師に、友人にどう思われるか、などという思惑から、その感じたことを操作したら、そういう文章は「クソ」のようなものだ。 p.245 言葉は、自分が書く、誰かが読む、そのあわいを生きます。
- 2025年4月7日読み終わった一人称の文体ではアレを疑えというのはミステリファンの義務教育だよ。 なのになんでこう…解けきれないんですかね。 確かに一回疑ったし、よく考えればもう少し迫れたはず。ヒントはタイトル。く"や"じい"。 事故で婚約者をなくした主人公の男がとある別荘に訪れる。彼の婚約者の父は大きな会社の社長で、彼女の死後も懇意にしていて休暇として招かれていた。親戚や友人も集まっている。 そこに突然強盗に押し入られる。ここが面白い。 強盗に脅されている状況で殺人事件が起き(強盗は犯人ではない)そして婚約者の死の不審な点も明らかになっていく。 テンポが良い。ここの展開の先読みはそんなに難しくない。なのに、解決パートと思しきところで明らかに残りページが…余っている…! 絶対何かある!のは分かっていてもなかなか解かせてくれない。さらっと読めるけど満足感のある一冊。
- 2025年4月3日
- 2025年4月1日PK 新装版伊坂幸太郎借りてきた読み終わったミステリかと思ったらSFだった。図書館で無作為に借りたら異色作品を引いてしまったのかもしれない。 一見、何の関係も無さそうな話に次々と切り替わり、しかも同じ年代の話であるとは限らない。これはあの人の過去で繋がっていて…あれ?でも矛盾があるぞ?と読者の困惑を積み重ねる。最後に違和感を解決する全体像が急に現れる連作3短編。 綿密に仕組まれたバタフライエフェクトを一読で理解は難しいけど巻末解説で説明してくれる。たいへん助かる。 解説は三体の翻訳者でもある大森望 氏。
- 2025年4月1日
- 2025年3月29日幼年期の終わりアーサー・チャールズ・クラーク,池田真紀子読み終わった突如、上位存在が現れることにより地球上で人類が築きあげてきた文明が一変する超古典的展開、大好き。 宇宙の広大さ、人類のちっぽけさ、この宇宙において人類は幼年期に過ぎない。語り口には古さを感じるものの、人類が知らない範囲の宇宙、空間においても時間においても決して手が届かない先に続いているものへ思いを馳せるロマンは今でも色褪せないものだということがよく分かる
- 2025年3月27日百年の孤独ガブリエル・ガルシア=マルケス,鼓直読み終わった長かった!文章は遊び心のあるマジックリアリズムの手法で読んでて楽しくはあるけど話があっちこっちに飛んだり非現実的なことが突然起こったり、何よりブエンディーア家で同じ名前多すぎ誰が誰だか 家系図見ないと分からない 再読したらもっと楽しめそうなので積読しなおし。
- 2025年3月22日動物城2333島田荘司,王小和,荷午読み終わったなんで島田荘司が翻訳しているんだ…?と衝動買い。童話のようなノリで進む動物たちの話、と思いきや血生臭い殺人事件、犯人に辿り着くまでに複雑に絡み合い世界観も相まって深まる謎、それを一本一本解いていく様はなるほどこれで島田荘司に任せたか、と納得の一冊。
- 2025年3月19日
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