木場
@alansas-kiba
2025年12月28日
日の名残り
カズオ・イシグロ,
土屋政雄
読み終わった
借りてきた
つい先程、読み終わった。
品格ある執事とは、いかに私情を挟まず、主人に仕えること。この小説でスティーブンスの思い出に通じていることである。その忠誠っぷりは狂気をも感じる。
本が半分に差し掛かる頃、漫画、黒執事を愛読していた私は、シエルとセバスチャンの間に、友情とも恋仲とも言えぬ、主従独特の関係性に萌えていた事を思い出す。
そして、終盤のミス・ケントンとのやりとりにて、スティーブンスのような執事こそ、現代における「推し活」の最高峰である、という結論に至る。
自分の推し(主人)がどんな人生を歩んでもひたすら肯定し続ける。推しが衰退し悲惨な最期を遂げてもなお、世間のように否定することなく賞賛し続ける。信じて身を投じてきた過去こそ彼の生きがいであったのだ。その過去にすがりながら、自分に仕えていることをファーンスは見抜いたに違いない。ファーンスがアメリカ人というのもなかなか皮肉が利いていることに読み終わってから気づく。
この小説を100%理解するには歴史の知識が必要であるので、一度勉強し直してからもう一度読もうと思う。
以降、ネタバレにもなり得るが、ミスケントンと再会し、自分の選択してきた事に対し悲しみに暮れるも、つねに主の事で頭がいっぱい、主への忠誠で締めるのは非常に痛感だった。そりゃブッカー賞受賞します。納得です。


