よよよのよ
@yoh_kurumi
2025年12月13日
読み終わった
@ 自宅
科学はどのように語られ、社会に実装されるべきか。
本書は進化学の専門家によって書かれたものである。そもそも進化には方向性や目的がない。世代が進むにつれて生じたさまざまな変異体の中で、環境に偶然適合できたもののみが子孫を残し、現在の生物の形質に繋がっているのだ。
キリンの首が伸びたのは、木の上の葉っぱを努力して食べようとしたから、というのは誤りであり、最近の中高生もよく知るところである。
しかし、ダーウィンなどが唱えた科学のブレークスルーは誤解(ときに曲解)を受けながら社会に利用・悪用されてきた。その時代には現代科学の価値観では科学とは言えないような恣意的な研究が行われたことは事実である。しかし、現代の統計学や遺伝学などに大きな影響を与えた当時の一流の科学者たちがそれらの研究に関わっており、確かにその当時第一線の科学であった。それがまた、優生学の端緒となったのである。
優生学といえば19世紀後半から20世紀前半の印象が強かったが、古代ギリシャから現代まで、優生思想は私たちのすぐそばにあると著者は言う。
科学は確かに役に立つもので、その発展は望まれるべきものであるが、私たち人間社会の絶対的な原理や理念ではない。科学の発展と社会への実装は切り離して考えられるべきだと感じた。