
まり
@bookvibesonly
2025年12月30日

るきさん(新装版)
高野文子
読み終わった
@ 自宅
時代に関係なく、女性同士の会話や日常のあり方には共通するものがあると感じた。
女友達とのやりとりや、何気ない日常の一瞬が切り取られていて、読んでいると心があたたかくなり、その一つ一つがとても尊く思えた。
特に印象に残ったのは、るきさんとえっちゃんの関係性だ。
自由奔放で大雑把だけれど、要領がよく、肝心なところはしっかり押さえているるきさん。
一方で、お洒落でピュアで世話好きだが、どことなく不器用さも抱えているえっちゃん。
えっちゃんの側に立って、自分を重ねる場面が多かっ
た。
外見的なコンプレックスを抱えていると、華やかなるきさんは日常の中で「得をしている」ように見え、
そんな友達がいることを誇らしく思う気持ちと同時に、羨ましさやずるいという感情も、きっと抑えながら抱えているのだろうと感じた。
それでも、えっちゃんはえっちゃんで、自分なりのお洒落や個性を大切にしていて、私は彼女をとても素敵なレディだと思った。
また、作品全体を通して、誰かに依存するのではなく、自分のペースで生活し、考え、選択していく女性の姿がとてもかっこいいとも感じた。
それは声高に主張する強さではなく、日常をきちんと生きていることから滲み出る静かな自立であり、
その在り方がこの作品をより一層魅力的にしていると思う。
二人はどちらかが優れているのではなく、互いに足りない部分を補い合うような相互補完的な関係であり、
その距離感や在り方がとても美しく、心に残った。
この本は、仲のいい上司に薦められて手に取った。
「これをまだ読んだことのないあなたが羨ましい」と言うほど大切にされている作品だと知り、読み終えた今、その言葉の意味がよくわかる気がする。

