
橘海月
@amaretto319
2025年5月17日

祝祭のハングマン
中山七里
読み終わった
#ミステリ
「ハングマンー雛鵜ー」から入ったので、復讐の話だと概要は知っていたものの、予想よりずっと重かった。春原瑠衣は警察官で父の誠也と二人暮らし。父の務める建設会社の人が立て続けに亡くなり、殺人が疑われる。捜査を進める中、父が三人目の犠牲者となって…。
物語の展開は最初から読めるし、スピンオフを読んでいるので瑠衣が復讐を鳥海へ以来するのは自明なのだが、そこに行き着くまでの葛藤は予想外に重く苦しかった。どう決断しても後悔が残るが、それでも瑠衣がルビコン川を渡る決断をした後押しの一つが、誠也の残した保険金というのも切なかった。
私はどこかで、法で捌けない犯罪者への復讐物語はスカッとするものだと思い込んでいたのだろう。その甘さを突きつけられた気がした。そりゃそうだ。自分の手を汚さずとも殺人の重みを背合うのはそう簡単ではなく、ましてや主人公はあえて自身が手にかけることを望んだのだから。その失敗が許されない重圧も。