橘海月 "楽園とは探偵の不在なり" 2025年7月21日

橘海月
橘海月
@amaretto319
2025年7月21日
楽園とは探偵の不在なり
楽園とは探偵の不在なり
影山徹,
斜線堂有紀
ある日突然“天使”が降臨した。天使は二人以上殺した人物を必ず地獄に落とす。それ以来連続殺人は鳴りを顰め、人々は一人を殺すか、大勢を殺し自殺を遂げるようになった…。助手を失い、探偵の意味も失った青岸が、閉ざされた島で探偵として連続殺人に挑む。 読後感どころか、読み進めるのが憂鬱になるくらい読書感はあまり良くない。扱うテーマが宗教的哲学的で、読んでいるとどうしても気が滅入るからだ。なぜ一人を殺した人間は天使に裁かれないのか?なぜ天使はグロテスクな風貌なのか?それらの鬱展開すらミステリに組込む手腕はお見事。だがやるせなさは残る。 これを参院選の翌日に読むにはタイミングが悪かったのもある。人々が“天使”に救いを求め、自分らが見たいものだけを見て、その存在に自暴自棄になり大量殺人を犯す過程があまりにもリアルに想像できてしまった。
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