おきゃりゃ "コンビニ人間" 2026年1月3日

おきゃりゃ
おきゃりゃ
@aya12
2026年1月3日
コンビニ人間
コンビニ人間
村田沙耶香
最近数年ぶりに一人で生活をしている。食事も入浴も睡眠も完全に自分一人のために行っている。すると本当に目的を見失ってしまう。何のために摂る栄養なのか、何のために身綺麗にしているのか、何に備えて休息を取るのか。明るく健全に全て自分のためだと即答したかったのだが、そんな生物にはなれなかった。 同棲していたときは楽だった。生活が勝手に自走していた。同棲相手の好物をお腹が空くよりも前に仕込み、清潔であることを疑わず、翌日のランチのため、ディナーのため、その他細々としたタスクのため、いそいそとベッドに入っていた。それが途切れた。体内時計のように動いていたピースが一つ欠けた。いつご飯を食べたらいいのか、いつお風呂に入ればいいのかも分からない。悲観的になっている訳ではないが、時間がフラットになってしまった。区切りのない一日は思っているよりも長く扱いづらい。 枠がある生活は、不自由なように見えて実は案外親切だったのかもしれない。それが普通か異常かの議論ではなく、多くの大人は、少なくとも私はそういう生き物なのだ。『コンビニ人間』の主人公が合理的に動く白い箱の中で「店員」として世界を生きられたように、私もこの世界を肯定できる光を見つけたい。
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