
miyuu
@miyuu_0824
2025年12月31日
人生の段階
ジュリアン・バーンズ,
土屋政雄
かつて読んだ
「終わりの感覚」以来のジュリアン・バーンズ。
最愛の人にして、最大の理解者であった妻を
突然喪った作家の痛みに満ちた日々。
一見、なんの関係も無さそうな気球の話から物語は始まる。
三部構成の、一部と二部は導入部分で
途中、ちょっと退屈になりかけたけど
主眼の三部、やっぱり引き込まれた。
一つの悲しみは
別の悲しみの理解には役立たない。
悲しみは、たいてい不条理さをともなう。
なぜ、どうしてと思わずにはいられない。
大切な人との記憶を
思い出すのは生きている人間だけ。
「私たち」はただの「私」に薄められ
すべての記憶は変化して、一人称単数系となる。
人生の記憶は、雲に映る影と似ている。
あるときまでは一点の曇りもなく、確信に満ちている。
深く、深く
悲しみに潜り込んでいった先で見つけたもの。
不思議な感覚。
最後は、綺麗な青空を見上げるような気分で読み終われた。