人生の段階

人生の段階
人生の段階
ジュリアン・バーンズ
土屋政雄
新潮社
2017年3月30日
5件の記録
  • 1 高さの罪 2 地表で 3 深さの喪失 【感想】 刊行時以来の再読。当時は3部にいたく感銘を受けたものだったけど、今回は不思議と2部に惹かれた。 1部は気球にまつわる群像が描かれる歴史編。 2部は1部における「もしも……」が描かれる虚構編。 3部は妻を喪った作家本人の独白ないし回想が描かれる現実編。 1部2部は、言ってみれば作家に3部を書かせるための足がかりのようなもので、作品として必要であるとは必ずしも言えない。ただ、訳者解説にあるように、バーンズ本人にとって必要不可欠な「筋書」だったのだろう。その点を含め、とても真摯な「喪の作業」だと思う。 とはいえ、そこはバーンズ。鬼面人を驚かすような作品ばかりものしてきた御仁らしく、様々なところに現れる「繰り返し」の妙がいかにもバーンズなのだった。
  • miyuu
    miyuu
    @miyuu_0824
    2025年12月31日
    「終わりの感覚」以来のジュリアン・バーンズ。 最愛の人にして、最大の理解者であった妻を 突然喪った作家の痛みに満ちた日々。 一見、なんの関係も無さそうな気球の話から物語は始まる。 三部構成の、一部と二部は導入部分で 途中、ちょっと退屈になりかけたけど 主眼の三部、やっぱり引き込まれた。 一つの悲しみは 別の悲しみの理解には役立たない。 悲しみは、たいてい不条理さをともなう。 なぜ、どうしてと思わずにはいられない。 大切な人との記憶を 思い出すのは生きている人間だけ。 「私たち」はただの「私」に薄められ すべての記憶は変化して、一人称単数系となる。 人生の記憶は、雲に映る影と似ている。 あるときまでは一点の曇りもなく、確信に満ちている。 深く、深く 悲しみに潜り込んでいった先で見つけたもの。 不思議な感覚。 最後は、綺麗な青空を見上げるような気分で読み終われた。
  • うお座
    うお座
    @uoza
    2025年6月7日
    すごくよかった。一部二部と読んでこれは一体どう関係していくのだろう?と思ったのだけれど、最後まで読むとなくてはならないお話だったと感じた。いつか大切な人は亡くなる。その前に読みたいと思い読んだのだけれど、その時がきてもまた読みたいと思った。読もう。  「すべての恋愛は潜在的に悲しみの物語だ。最初は違っても、いずれそうなる。一人には違っても、もう一人にはそうなる。ときには両方の悲しみの物語になる。」
  • kasa
    kasa
    @tool
    2025年4月14日
    最後の章の実体験がすごい。 人が亡くなった時に残された者の気持ちがつぶさに語られる。 喪失感を白鳥の羽が重くなるのことに例えるのはやはりバーンズならでは 悲しい体験をしてしまった時に心の拠り所になるかもしれない一冊
  • aco
    aco
    @_accco_
    2025年3月6日
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