Tanizoo
@Tanizoo
魂を磨き続けるための「正義の剣」:マルクス・アウレーリウス『自省録』
この本は、単なる哲学書ではない。二千年前、世界で最も孤独で重い責任を背負ったローマ皇帝が、自分自身を律するためだけに綴った「魂の対話」である。
1. 「感情と理性」の葛藤に終止符を打つ
人は常に、感情の荒波に呑まれそうになる。しかし、アウレーリウスは説く。どんなに心が揺れ動こうとも、人間を人間たらしめるのは「理性」であると。彼が常に理性的であろうとするその峻厳なまでの強さは、読む者の背筋を正し、「自分の器の小ささ」という成長の伸び代を自覚させてくれる。
2. 「被害者意識」という牢獄からの脱出
私たちは、不運や他人の悪意に直面したとき、つい「被害者」の顔をして世界を呪いたくなる。だが、本書はそれを許さない。
>「世界が悪人だらけであろうが、裏切られようが、それで君はどう生きたいのか?」
意味などなくてもいい。たとえ報われなくても、正しく、善くあること。その問いかけは、甘えを断ち切り、心の中に「正義の剣」を咲かせる瞬間をもたらしてくれる。
3. 「それで、お前はどう生きるのか?」という永遠の問い
この本を読み終えたとき、視点は「外の世界」から「自分の内側」へと180度転換する。運命を嘆く時間はもう終わりだ。世界がどうあろうと、自分だけは自分の信じる善を貫く。その決意こそが、人間としての真の気高さであることを、アウレーリウスは身をもって教えてくれる。
一生をかけて読み直し、そのたびに自分の現在地を確認したくなる。まさに、人生という荒野を歩むための「バイブル」と呼ぶにふさわしい伝説の一冊。