句読点 "たとえ世界が終わっても その..." 2026年1月1日

たとえ世界が終わっても その先の日本を生きる君たちへ (集英社新書)
2026年最初に読み終わった本。 この本を最初に読めて良かった。 タイトル通り、「この世界が終わっても」その先を生きていかねばならない自分にとって、今年は昨年から引き続く不穏な世界情勢、国内の腐った政治のまんまで年が明け、全くめでたい感じのない、不安な年越しだったのだが、この本を読むことでちょっとだけ見通しができたというか、自分が進むべき道を示してくれたような、そんな本だった。 イギリスのEU離脱のことから話が始まり、アレクサンダー大王の話やソ連解体直前のことまであっちこっちに話が飛んでいきながら、最後にはそれらの点同士が見事に繋がって、「まとめ」らしきものに到達する感じ。語りおろしなので最後まで一気に読めた。実際のインタビューは毎日5時間を4日間続けられたそうで、この本に収まっていない話もたくさん出てきたのだろうが、こうして一冊の本としてまとまったのはすごい。編集が大変だっただろうな。 「心のない論理」でも、「心の論理」でもなく、「心のある論理」を持ちながら、生きていきたい。 以下気になったところの引用。 "人工知能のAIなんかはさ、人間の考え方がそんなには明確でなくて、曖味なものに満ち満ちているってことと向き合うわけでしょ。 その曖味さをなんとかクリアしようと思ってるけど、曖昧さに関しては人間の方が上だね。 はっきりとは言い切れなくて曖味な、ちょっと揺らいでたりもするものを、文科系の言葉でいうと、「頭ではなくて情感で分かれ」になるんですね。だから、理科系は、文科系に近づかざるをえないんですね。"p.169 "未だに「大きなもの」を信じている人たちは、地球を巨大な円形だと思ってて、経済が「成長と拡大」を続けて、先へ行けば行くほど、その境界が広がって、パイの皮のように薄く伸びていくと思っているらしいけど、そんなものが永遠に伸び続けるはずはないわけでさ。今や薄皮に綻びが出来て、あちこちに穴が空き始めている。伸ばして穴を空けた人たちは、自分のところにパイ皮がひだになって厚く集まっていることがその原因だってことを、どうやらあまり考えてないですね。極端な格差はそうやって生まれるんだ。"p.209 "企業が競争を生き残り、利益を上げるために、テクノロジーの進歩や、産業の海外移転を進めた結果、国内の雇用がどんどん減って、人の「働く権利」は奪われてゆく。 その結果、格差がどんどん広がって、内需の消費者だった中間層が崩壊すると、結果的に物やサービスが売れなくなって、不景気になる。そんな状況はさ、まるで、自分で自分の尻尾を呑み込もうとする「ウロボロスの蛇」じゃない。"p.213 "まずは日本人が天動説から地動説に戻って、「自分たちが社会の上に乗っかって動いている」という謙虚な意識を取り戻さないと「心のある論理」は生まれてこない。でもって「心のある論理」を持たないと、「大きなもの」を目指し続けることの限界や、経済の飽和も見えてこないし、実体経済を超えて膨れ上がる金融経済が中身のないバーチャルな幻だということも、理解出来ない。"p.217 "私はね、「損得で物事を判断しない」ことを「正義」って呼んでいるんです。 「正義」っていう言葉をやたらと使いたがる人の「正義」って聞くと、私がなんだか嫌だなっていう気がするのは、そういう人たちの「正義」って「自分の好きなあり方」を勝手に正義と呼んでいるだけだから。そうして、自分のあり方を肯定したがっているだけだから。"p.220
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