
ユメ
@yumeticmode
2025年12月29日

ドリトル先生アフリカゆき
ヒュー・ロフティング,
井伏鱒二
読み終わった
感想
再読
ドリトル先生は純粋に生物の生態に関心があり、また、自分の家で暮らす動物たちのことを家族のように大切に思っていて、彼らの関係は対等である。動物たちはドリトル先生のことを深く尊敬しているが、決して一方的に庇護されているわけではなく、すぐれた医者であるものの生活力を欠いた先生のことを手助けして暮らしている。この絶妙なバランスこそが、本書を楽しく読める所以かもしれないと思った。
アヒルのダブダブ、犬のジップ、ブタのガブガブ、オウムのポリネシア、フクロのトートー、サルのチーチーをはじめとする動物たちは皆個性的で、彼らのことを好きにならずにはいられない。動物好きとおひとよしが高じて(そこもまた愛すべきところではある)すぐに生活苦に陥るドリトル先生だが、しっかり者のダブダブとポリネシアがついているおかげでハラハラしすぎずに見守ることができる。
病気のサルを治しにやってきたアフリカでジョリギンキの王様に追われたドリトル先生一行を、サルたちが橋を架けて助けたあと、チーチーが「えらい探検家や白いひげの博物学者が、何人も、ながい間、密林にかくれて、サルのこの芸当を見ようとしました。けれども、わたくしたちは、まだひとりの白人にも、これを見せたことがありません。有名なサルの橋をごらんになったのは、先生、あなたが最初です」と伝えたのにはぐっときた。動物たちは、ちゃんと真心を持った人間を見分けるのだ。
