
咲
@lunar_mare
1900年1月1日

恩田陸
一群れの百合。
鈍く光る白い百合の中から、芯のある香りが漂い出している。
この香り。
決して逃れることのできない、どこまでも迫ってくる香り。
魔女の住む屋敷。
おおきな魔女は死んでしまった。
美しい祖母。
美しい叔母。
美しい理瀬。
この家の2階には妖精が住んでいる。
百合の花は妖精が好きな花だから、この家には百合を飾るんだ。
不穏を強く含んだ香りにまとわりつかれて、くらくらする。
理瀬の少女時代が終わる。
訣別して、旅立つ。
一緒に飛んでいってあげられたらよかったけれど、残念ながら無理みたい。
理瀬シリーズの続編に進もう。
「悪は全ての源なのだ。
善など、しょせん悪の上澄みの一部に過ぎない。
悪を引き立てる、ハンカチの縁の刺繍でしかないのだ。
でなければ、善がいつもあんなに弱く、嘘くさく、脆く儚いことの説明がつかない。」
