
さくら🌸
@lily_sakura_
2026年1月2日
ぼくには笑いがわからない
上村裕香
読み終わった
なかなか売れずに燻る芸人や、プロの芸人が題材の小説は多いと思うけど、この作品は好きな人を笑わせたい一心でお笑いを始めた大学生と、大学のお笑いサークルに所属する学生の、所謂「大学お笑い」の物語だった。真面目で頭の固い耕助はその言葉通り、笑いというものの捉え方や漫才についてわからないことだらけで、漫才を始めたきっかけはかなり不純なものだったけど、初舞台を踏んでその魅力に取り憑かれたかのように、お笑いに魅了されていく。対してお笑いサークルに所属している四郎は、相方がM-1優勝を目標に掲げる一方で、お笑いに点数をつけられることを嫌がり、自分はこの先芸人を続けずに就職するんだろうと思ってはいるが、彼もまた「舞台の魔物」に取り憑かれた者だった。
近年、令和ロマンを始めとする大学お笑い出身者が賞レースで活躍を見せるお笑い界。その渦に自ら飛び込んでいく大学生たちの、お笑い×青春物語で、爽やかさと泥臭さが共存していてとても面白かった。
