橘海月 "クラゲ・アイランドの夜明け" 2023年3月5日

橘海月
橘海月
@amaretto319
2023年3月5日
クラゲ・アイランドの夜明け
著者の『自由なサメと人間たち』とは異なり、長編の近未来SF。海上コロニーで暮らす主人公の元に、ある日新種のクラゲが発見されたニュースが飛び込んでくる。クラゲ好きなミサキは興味を示し、幼馴染みのナツオに熱心に話していたが、物語は急な展開を迎えて…。 「楽園」と呼ばれるコロニーに、じわじわと侵食するクラゲ。本土との確執やセントラルの不穏な動きなどディストピア特有の面もあるが、それよりもナツオがミサキの真実を知る過程で自身と向き合う青春小説としての面が強かった。 ルナの「私がずけずけ喋るのは当事者意識があるからなの。責任感からなのね。お行儀よく黙っているつもりの人間は、喋る人間に甘えてるだけってこと、わかってないのかな」は、まさに「わからない」をくり返すナツオの、ズルさ卑怯さを見抜いてたのだなと思う。決断をしない人は、決断する相手に責任を押しつけているのだと。
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