
橘海月
@amaretto319
2022年2月19日
ディープフェイク
福田和代
読み終わった
#ミステリ
中学生教諭で、鉄腕先生のあだ名でテレビ出演もする湯川が、教え子とホテルへ行ったという身に覚えのない週刊誌報道に晒される。同時にネットでは彼が生徒に暴力を振るう動画が複数上げられていて…。嘘により日常が激変する様が、ひたすらリアルで恐ろしい。
何が怖いって、読者である私ですらずっと「本当は何か後ろめたい事実があるのでは?」と主人公を疑う気持ちが捨てられず、それはそのまま主人公を取り巻く家族や同僚の視点に他ならないこと。デマは拡散されやすく、デマの訂正は労力ほどの効果はない。これもSNSで嫌というほど思い知らされた現実。
ラスト主人公の逡巡は、嫌というほどわかってしまった。それだけに、一瞬リドルストーリーとして読者に委ねてもよかったのでは?と思うくらいに。ただ、あの結末こそが謎解きの一端を担うものであり、あの終わりあってこそだとも。ネットの誹謗中傷を絶対に逃しはしないという、作者の強い意志を感じた。
※ちなみにこのリドルストーリーについて、Twitterで感想を述べると作者からコメントがあった。連載時のラストはリドルストーリーだったとのこと!
