
かなこ
@samu_samu00
2026年1月3日
人生劇場
桜木紫乃
読みたい
読み終わった
借りてきた
感想
小説
じゅうぶん読んだ
昭和初期の室蘭〜釧路を描いた大河小説。「ラブレス」「ホテルローヤル」と続き、道東3部作の1つ。
幼いことから主人公は家族から蔑ろにされる。唯一、自分のことを家族のように愛してくれた伯母が亡くなり、彼には自分の居場所がない。満たされないまま長い人生を歩む。
最初は、主人公の人生劇場を覗く一員になっていましたが、作品読了後に、桜木紫乃さんのお父様をモデルにしていることを知りました。
なので、個人的には、ほぼお父様の自伝小説を読んでいる、他人の人生を覗いていたのか思うと、一気に作品と自分自身が遠くなる感覚があった。
後半から止まっていた時間が、下から上に盛り上がる瞬間があり仄かに光が灯る。約450頁にわたりうまく行かない人間の人生の様を一人の登場人物として読了すると、完璧な人間はいない、他人から見ればダメ人間に映る主人公は誰よりも人間らしく、現代の人間と比べると生き物としての輝きに満ちていた。
第三者目線で読むと、主人公は誰がみても”頼りないダメな男”。歳を重ねても自分の感情をコントロールできないわがままな大人。だからこそ、桜木さんの描く女性たちの強さが際立つし、主人公にフォーカスが自然に当てられる。人間の嫌な部分を実直に伝えてくれる桜木さんの作家としての筆力を感じる。
家族、愛、借金、理容師、ラブホテル、沢山挙げられるものがあるけれど、多すぎて挙げられない。結末を知っても、彼の人生は変えられない。しかし、多角的に一つ一つの出来事を掘り下げて、色んな切り口から考えられる話だと思う。
私もこれくらい色んな人生を歩みたいです🧘
