
遷子
@msenko1367
1900年1月1日

網内人
玉田誠,
陳浩基
また読みたい
★中文小説は原語で読むことにしている。翻訳を読んでも結局原文が気になって読んでしまうからである。陳浩基の中文は本人が意図しているだけあって非常に読みやすいので中国語勉強中の方、ぜひチャレンジしてみてください。
さて、作者はとことん真っ当なオタク(ロマンティスト)である(笑)。「13・67」は連作構成ということもあってあまり目立たないが、この人の作品はジェットコースターの登りが長い。もちろんゆっくり登りながらも全く退屈はさせないのだが、いったん下りに入ると、えらいスピンを見せながらどんどん加速していく。しかし柱は真っ当なオタク・ロマンティストなので、最後は笑ってしまうほど願った地点に着地するのである。この「笑ってしまう」というのは貶しているのではなくて、同類として「とてもよくわかる」という意味である。一番爆笑した部分は書かないでおくが、私は作者のこの「ひねくれてなさ」がとても好きである。人間性および社会についての洞察、その真摯な描写に胸をつかれつつも、「だからこそ」の阿涅であり、阿怡である。ザックリ言うと「13・67」+「山羊獰笑的剎那」=「網内人」。3冊セットで読むとわかりやすい(?)かな。私が良しとする部分を嫌う人もいるかもしれないが、まぁそれもよくあることである。『何回読んでも居心地よくて面白い』というミステリを書く作家は自分にとってとても貴重で、陳浩基に出会えて本当によかったと思う。中国語もベンキョーしといてよかったね(笑)。
阿涅はまぁイメージしやすい(理想的)キャラだが、問題は阿怡である。非常にリアリティがあるとも言えるが、小説のキャラとしては非常にイラーッともさせられる。「健気」で「行動力がある」けど、阿涅曰く『ものすごく切れるかと思えば、ものすごくアホなことを聞く』……ここ。小説の、特にミステリのキャラは、一般人でも現実よりは数割り増し賢くないと、ほんまにイラーとしてしまう。テンポが悪くなるから(笑)。阿怡はギリギリのラインである。魅力的な女優さんが演じてくれればいいけど、下手に演られるとただ鬱陶しいだけ…という危険性大のヒロイン。でも彼女なりの魅力や面白さもあって、そこは大好きなので、ほんまに困ったなぁ…と(笑)。
★阿涅に多額の借金がある阿怡。返済方法は「臓器」もしくは「体を」売るの二択しか思いつかない。……ので、事あるごとに。
『……や……やっぱり、臓器を売るか…体を……😭』
『そんな洗濯板、誰が買うか!』
『超めんどくさい奴』と思いながら、面白がる阿涅の気持ちもわかる(笑)。