
遷子
@msenko1367
1900年1月1日
保健室のアン・ウニョン先生
チョン・セラン,
斎藤真理子
また読みたい
とにかく導入がうまい。この軽やかさにはどんな人でも引き込まれてしまうだろう。同作家の「屋上で会いましょう」でも思ったけれど、翻訳者のお仕事ぶりがまたすばらしく、そこにも韓国小説の勢いを感じる。
作者があとがきで『ただ快感のために書いた。快感を感じとれなかったら私の失敗』とまで書いているが、文句なしの大成功なのである。ちぇー(笑)。飄々とした鉄板のエンタメでありながら、底にしっかりとしたごつい根があって、この面白さは恐らく何度読んでもすり減らない。
そして登場人物の言動に好きな韓国ドラマのキャラを思い出したりもしてしまうのだが、それは彼らに<人間としての真っ当さ>が共通しているからなのだ。韓国の作品は愚直なまでに、この<人間としての真っ当さ>を描いていると思う。少なくともそれがあるからこそ人間だと信じているように思われる。
『世の中が公平でないとしても、親切心を捨てたくはなかったからだ』
こういう人たちの物語である。別に登場人物の誰も綺麗事は言っていない。だが、こういう人たちの物語をこんな楽しい形で読むことができるというのは、なんと幸せなことだろう。