とろん "蟻の棲み家" 2026年1月3日

とろん
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@toron0503
2026年1月3日
蟻の棲み家
蟻の棲み家
望月諒子
会社の同僚が貸してくれた本。予備知識がなく買ったようでシリーズものの5作目だったのだけど、ここから読み始めても支障なかった。 でも木部美智子がなぜ、フリージャーナリストという立場で「雑誌には載せない」と約束したうえで、事件の真実に辿り着こうとしているのか、その熱量はここでは解らない。なので前4作もかなり気になっている。 構成というか展開が面白くて、久しぶりに明け方まで読みふけってしまった。残り3分の1を残した状態で逮捕になるのだけど、そこからの展開が特に。 ひとりめの男を殺したアリバイを見せながら、長谷川の同情を削いでゆく描写がつづき、読み終わる頃には完全に吉井に肩入れしてしまっている自分がいた。作者の思惑通りだったと思う。 殺害された女性ふたりや野川愛里は『みいちゃんと山田さん』のみいちゃんのような状況。愛理の母親は実際、みいちゃんの祖母とも状況が近い。 おそらく医療と福祉が必要なパターンなのだけど、本編ではそこまで踏み込んでいない。もっとも、本題はそこではないからということで、作者はしっかり取材や資料に基づいて、そういう問題があると認識して書いているとも感じた。信頼できる書き手だと思う。
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