
阿部義彦
@xtc1961ymo
2026年1月4日

読み終わった
2001年刊と言うことは四半世紀前か、漫画研究者の夏目房之介さんによる、世界を標準とした漫画論そして戦略。今読んでも刺激に満ちてました。先ず版権に関する各国による考え方の違い、当時は専門的な版権知識のある弁護士も少なく、海賊版は別にして正式な版権契約に関してもかなりボッタクられて十分な収入が作者に入らなかった事。この本の中では特に韓国の漫画市場の話が興味深かった。あちらでは作者個人では無く会社が版権を持っているため、作者は会社を辞めて自分で会社を興す事が良くあるそうです。作業も分業制でプロダクションの様。他国との差は編集者の存在であるが、それも近年特化しすぎた日本の会社員編集制度には弊害も出始めている。夏目さんは国際漫画展の企画をして、極めて短期間で仕上げなければならなかったので大手の出版社のメジャー漫画家では、版権などで会社で揉めて時間がかかるので苦肉の策としてマイナーなマニアしか知らないような漫画家(つげ義春、高野文子、たむらしげる、谷口ジロー、やまだないと、南Q太、いしかわじゅん、けらえいこ等)に絞って主にフランスで開催し、当時フランスでは日本漫画は暴力と乱交の象徴としてバッシングの対象だったのを、全く翻して大いに受けて大成功して、それが引き金となって、後のつげ義春さんのアングレーム国際漫画祭での受賞を後押ししてくれたのだな、と分かりました。凄い勉強になった本でした。