サブリミナル効果
@ch_6777
2026年1月8日
傲慢と善良
辻村深月
【選択のひとつひとつの責任が浮き彫りにされてきつい】
◎刺さった文章
「ピンとこないの正体はその人が自分につけている値段」
「婚活がうまくいく人は自分の欲しいものが明確に分かっている人。ビジョンのある人。自分の生活を今後どうしていきたいか見えている人。」
主人公2人ともに自分を重ね合わせることができて、読んでいて刺さるところが多すぎて手に汗握る気持ちで読んだ。読む手を止めちゃうくらい喰らった箇所が多かった。ここまで頭がガンガンして現実を突きつけられた小説は初めてだ。自分の心の弱さ、未熟さや甘え、責任を取る覚悟のなさや執着の多さが浮き彫りになった。
でもだからこそ読んでよかったと思う。小さな選択を積み上げることで、人生を形成している意識を忘れちゃいけないなと思った。いつだって、人生は自分が主語で自分の意志で選んでいるんだという覚悟と自分のけつを自分で拭くという責任を持つことを改めて意識させられた。主人公が親や友人の責任の所在のない言葉に翻弄されながら、自分の意志で決断をする。婚約者の自分が見ている顔とは別の顔を周囲の人から知ることで、彼女の別の一面を知る。そんな「愛する人の知らない一面を知ったときに、自分はその人を選ぶことができるのか」その葛藤を表すように、心理描写がとにかく多く、その鋭利な言葉が読んでいる自分にも突き刺さった。
誰かの人生を引き受ける決断をすることは、共に大きな責任が伴う。