芒川線香 "フォークナー全集〈17〉墓地..." 2026年1月9日

フォークナー全集〈17〉墓地への侵入者 (1969年)
マルカム・カウリー編『ポータブル・フォークナー』刊行より2年経過した1948年の作品。構想は1940年で『行け、モーセ』と同時期とのことで、マッキャスリン家の血を引く黒人ルーカス・ビーチャムが中心に置かれるなど姉妹編の風味がある。本作をめぐる評価については訳者解説に詳しく、毀誉褒貶あり、特にギャヴィン・スティーヴンズの雄弁な演説はさらに2年後のノーベル賞受賞スピーチと響き合うこともあり、登場人物と作家との黒人観をいかに位置付けるかに論者たちは苦心していたと見える。とはいえ、個人的には、語り手が焦点化する少年チャールズ・マリソンを全編で三人称単数によってやや距離を置いて描くことが成立させるパースペクティブが味わい深かった。 因みに加島祥造訳は国立国会図書館デジタルコレクションの個人送信サービスで読めます。 https://dl.ndl.go.jp/pid/1659303/1/3
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