
aio
@icecreamread
2026年1月14日

推し短歌入門
榊原紘
読み終わった
短歌をやる上でのアンチパターンが書かれている
二章、短歌の技法について書かれているところは、推し短歌を作る上で特有のことは書かれておらず、一般的な短歌のことについて書かれていて、歌界に何度も参加している人であればどれも知っているような内容。
私は句割れ・句またがりのことをあまり評で言及しないなあとかえりみた。
三章、評についての入門でもあり、それは珍しいのではないか。
ただ、評は①意味②構造③表記④韻律の四つを見ていけばだいたい網羅できる、とのことだが、これだけで面白い評ができるかというと微妙だと思う。私個人の思う面白い評は社会的な視点が入っているものや、その短歌を一層輝かせるものだが、この4つを網羅すればそれができるわけではないと思う。ただ、この4つができれば、歌会で発言をするときにひとまずそれっぽくなるし、歌会という即興の場面ではこの4つに言及する以上のことはなかなか難しいという面もある。
プロジェクションが優れているのが良い歌で、優れたアブダクションが良い評というのは面白かった。
私は本書を通して、推しという概念に迫りたいという期待があったのだが、そういった期待には応えてもらえなかった。やはり徹頭徹尾短歌の話な気がする。推しを表象することとはどういうことなのか、そこに何か特有のものはあるのか、短歌であればそれがどのように可能なのかということが何か分かればいいと思っていたのだけれど。
推しを表象するためのハウトゥではあった。