あんどん書房 "フクロウ 地球上で最も謎めい..." 2025年12月16日

あんどん書房
あんどん書房
@andn
2025年12月16日
フクロウ 地球上で最も謎めいた鳥の科学
フクロウ 地球上で最も謎めいた鳥の科学
ジェニファー・アッカーマン,
ナショナル・ジオグラフィック,
樋口亜紀,
鍛原多惠子
フクロウとみみずくの違いも知らなければ、エッホエッホのフクロウがどの種類で何をしているのかも知らない… そんな無知な自分が初めてフクロウという鳥にじっくり向き合ってみた読書だった。 まず構成については、海外の科学本にありがちな「研究者の〇〇は〜という発見をし」みたいなのが羅列されていく読みにくさはあり、次々とフクロウの名前が出てきてもなかなか頭に入ってこないのだが、DNA周りの技術向上で類縁関係が見直されたというのは鳥展で見たやつだなぁと思った。猛禽や夜行性鳥類の仲間と思われていたが、実は昼行性の鳥類から分岐したらしい。 色素によって重さが違うから羽の暗い部分が効率的に配置されている、みたいな話(P63)も興味深い。色で重さが違うとか考えたこともなかったなぁ。 “ヘンリー・デイヴィッド・ソローは、アメリカオオコノハズクの求愛の歌は、自殺願望のある恋人たちが互いを慰めているように聞こえると思った。” (P184) ソロー積んだままなのでわかんないけど、森の生活とかにそんなこと書いてるんかな。印象的だがいまいちイメージしにくい。 飛んで7章「捕らわれのフクロウ」より。 “日本は世界最大のフクロウ輸入国であり、何千羽に及ぶ輸入フクロウの90パーセント以上を占める。[…]日本の法律は人間によって育てられたフクロウのみ販売を許可すると明確に定めているが、業者は捏造文書や古い許可証を違法に使い回して法の穴をくぐりぬける。” (P315-316) ここまで読んできたらフクロウを飼うことの困難は十分に感じられるものなので、当然そんな気軽に飼っていいもんじゃない。あのナイチンゲールでさえ死なせてしまったのだから…。 刷り込みについても意外な事実が書かれていた。なんとなく人間が刷り込まれた動物は友好的になるようなイメージもあるが、フクロウにとって人間の顔は自分達と似ている故に、縄張りを主張して攻撃的になるのだとか。 本書のメッセージとして最も大きいのは「知ることの大切さ」である。たとえばフクロウの保全については次のような観点が考えられる。 “まだ生きている木を切るか剪定する前に、樹洞がないかどうか確かめる。立ち枯れ木や死んだ木はリスクがなければそのままにする。巣箱を設置する。ネズミ胎児には毒ではなく罠を使う。周囲にいるフクロウについてできる限り学ぶ。どんなフクロウが暮らしているか。どこで暮らしているのか。彼らが直面する脅威は何か。外に出て地元のフクロウを見つける。でも、自分がフクロウに与えるかもしれない影響を認識しておく。フクロウの鳴き声の録音を流すのは、すでにストレスを抱えているフクロウにさらにストレスを与えることになると知る。” (P424) 改めて、フクロウについてほとんど何にも知らないんだなぁということがよく分かった。 本文書体:秀英明朝 装幀・組版:佐々木暁 日本版カバー写真:ジョエル・サートレイ「PHOTO ARK(動物の箱舟)」より
読書のSNS&記録アプリ
hero-image
詳しく見る
©fuzkue 2025, All rights reserved