仲嶺真
@nihsenimakan
2026年1月10日

学習の生態学
福島真人
読み終わった
全体としての章構成は、前半と後半の大きく二つに分かれる。前半(第I部)は、理論的考察が中心であり、学習をめぐる認知科学、計算主義的アプローチと、より社会科学的なアプローチ(状況的学習論)などの理論的アプローチの射程と限界を、様々な理論的、現実的な舞台を中心に批判・検討し、更に学習理論のミクロとマクロをつなぐ新たな理論的試論としての学習の実験的領域という理論的枠組みを呈示することを試みている。
後半(第工部)は、より具体的、民族誌的な記述・分析が主体となるが、特に後半で強調されるのは、具体的な探求の対象としての組織のレベルである。とりわけリスキーなテクノロジーによって構成されている組織という具体的テーマが新たに加わる。ここで民族誌的に取り扱われるのは、いくつかのタイプの医療組織であるが、この背景にあるのは、軍艦や原子力発電所などについて詳細な分析を行った高信頼性組織研究という分野である。学習と思考というテーマは、後半では、リスク、テクノロジー、科学的知識、そして組織といった具体的文脈と織りあわされることになる。p.005-006