仲嶺真
@nihsenimakan
- 2026年5月17日
民主主義とは何か宇野重規読み終わった民主主義について過不足ない本を書いてみたい、そう思ってこの本を執筆しました。何か民主主義についての新説を唱えたいわけではありません。昨今、「熟議民主主義」、「闘技民主主義」、「デジタル民主主義」など、「~民主主義」といった言葉も少なくありませんが、本書で新たな民主主義の分類を提案したいわけでもありません。民主主義について押さえておくべき基本を一つひとつ丁寧に確認し、その上で、この民主主義という正体のつかみにくいものを、自分の手でしっかり握りしめたいというのが本書の願いです。p.267 - 2026年5月10日
それは私がしたことなのか古田徹也読み終わった本書は、「そもそも行為とは何か」という問題を哲学的に探究する試みである。より具体的に言えば、「何かが自然に起こることと、人が意図的に行うこととの違いは、一体どこにあるのか」という問題や、あるいは、「人はどのような場合に、「それは私がしたことだ』と認めるのか」といった問いの答えを導き出すことを試みる。そして同時に、以上の探究が、「倫理学」と呼ばれる哲学の一分野ー「自由」や「責任」、「道徳」、「生き方」などにまつわる哲学的探究ーの根源に触れるものであることを確認する。 本書の第2章までは、いま「オーソドックスな「行為」の概念」と呼んだもの、すなわち、「自分の自由な意志で何らかの目的を達成しようと試みる」というのが具体的にどういうことであるのかを掘り下げていく。まず、その「自由な意志」とはそもそも何かということが大きな謎であることを確認した上で、避けては通れない問題として、「人間にそもそも自由な意志は存在するのか、それとも、人間が何をするかは自然法則によってあらかじめ決定されているのか」という、自由意志と決定論をめぐる論争を扱う(第1章)。そして、「自由な意志の働きとは脳の働きに他ならない」という現代の「科学的主張」を批判的に検討しながら、第1章の問いに対する解答を提示する(第2章)。 以上の探究によってオーソドックスな行為の概念の中身を整理できたところで、本書の議論は先の「車と子どもの衝突」の例へと徐々に接近していくことになる。その中で、なぜこの例がオーソドックスな行為の理解と折り合わないように見えるのか!なぜこの例が、いま我々に「謎」として立ち現れているのかーを明らかにすることができるだろう。また、この例をまさに行為の例として適切に位置づけ、そこからオーソドックスな行為の概念をもう一度照らし返すことで、行為の全体像を見渡す展望を開くことができるはずである(第3章)。 そして、行為という概念をめぐって本書が辿るこうした哲学的探究は、次第に、「倫理学」の領域へと深く接続していくことになる。その過程で、行為者の個別性ないしは置き換えのきかなぎというものを切り捨ててきた既存の倫理学の枠組みの問題点と、倫理学という営みの本来の「故郷」とも呼ぶべきものが浮かびあがってくるだろう。これを踏まえて、本書は最終的に、一般的な理論体系の構築というものとは異なる倫理学の方向性を提言することへと向かう(エピローグ)。 pp.ⅱ-ⅲ - 2026年4月24日
- 2026年4月18日
読み終わった本書は「ことばの意味とは何か」を扱う第Ⅰ部「意味とポイント」(第1章〜第3章)と「心とは何か」を扱う第Ⅱ部「心とアスペクト」(第4章、第5章)からなる。第I部では、ウィトゲンシュタインの言語哲学(ことばの意味とは何か)、そしてメタ哲学(哲学とはどのような営みであるか)における「見方」=ポイント概念の意義について、第Ⅱ部では、心の哲学(心が存在するとはどのようなことか)における「見方」=アスペクト概念の意義について考える。なお第I部と第Ⅱ部はそれぞれ内容的に独立しているため、どちらから先に読み始めてもらっても構わない。(ちなみに各章のタイトルは、ウィトゲンシュタイン自身の書き残したリマークから採用している。 pp.33-34 - 2026年4月6日
- 2026年4月1日
自動車の社会的費用宇沢弘文読み終わった本書は、自動車の社会的費用という問題について、主として経済学的な側面からの分析を試みるものであるが、ここに述べたような事情もあって、経済学者の間で一つの共有財産となっている考え方を紹介するという性格のものではない。むしろ、自動車の社会的費用という問題を通じて、現代経済学の理論的前提にどのような問題点が存在し、どのような修正が必要とされているのか、ということを考えてゆこうとするものである。現実の経済社会における経済循環のメカニズムをどのように分析したらよいか、という問題について、わたくし自身これまで試行錯誤のプロセスを繰り返してきたのであるが、ここではその一端を紹介し、自動車の社会的費用をどのようにして計測したらよいか、という問題に対して一つの方式を提示したい。pp.18-19 - 2026年3月31日
- 2026年3月24日
変な心理学山田祐樹読み終わったアカデミックな心理学と大衆的な心理学との違いを説明するだけでなく、なぜ、どのようにして大衆的な心理学が生まれ、発展してきたのか、そしてそれらのどのような部分に注目すべきなのか、知識としてどのように扱うべきなのかを説明することで、大衆的な心理学についてプレバンクしたかったのです。p.267 - 2026年3月17日
社内政治の科学木村琢磨読み終わった本書は、利害の異なる人々を束ね、会社の目標を実現するために影響力を発揮したいと思っているすべてのビジネスパーソンに向けた一冊です。もともと政治的な存在である会社という組織の中で、自分はどのように影響力を発理できるのか。それを考えることが大切です。p.5 - 2026年3月12日
真説 日本左翼史 戦後左派の源流 1945-1960佐藤優,池上彰読み終わった本書では、第二次世界大戦後、一九四五年から一九六〇年までの左翼運動の歴史を日本社会党と共産党の動向を柱に論じました。共産党の「山村工作隊」や「所感派」と「国際派」の分裂など、いまの若い共産党員には驚くような過去があったのです。 社会党から名前を変えた社会民主党は、選挙のたびに国会議員の数を減らし、党員も高齢化が進んで消滅の危機に瀕していますが、かつては日本の政治に大きな影響力を維持していたのです。p.4 図書館 - 2026年3月4日
- 2026年3月2日
医療ケアを問いなおす榊原哲也読み終わった一生を何の病気にもかからずに終える人は、ほとんどいない。高齢化も進み、医療ケアを受ける人は今後ますます増大していく見込みである。社会全体で病気を患う人々をケアし、支えていくためにはどうしたらいいのだろうか。本書では、「現象学」という哲学の視点から、病いを患うとはどういうことなのか、病いを思う人をケアするとはどういうことなのかを、改めて見つめなおす。患者の心身をトータルにとらえ、向き合い寄り添うケアへの道しるべを示す一冊である。 本書カバーより - 2026年2月28日
「気が利く」とはどういうことか唐沢かおり読み終わったできることなら「気が利く」人になってみたい。でも、どうしたら良いのかわからないし、上手いコメントのセンスもない。自分も相手も不快にならずに人間関係を築くことがこんなにも難しいなんて.....。心をすり減らしてしまうまえに、心理学で問題を蒸理してみませんか。ネットや書籍のハウツーの一歩手前には、理論があります。私とあなたの心がどう働いたら「気が利く」になるのか。そもそも、誰のための「気が利く」なのか。生きづらい世の中をうまくやりすごすための入門書。 本書カバーより - 2026年2月27日
ブルーノ・ラトゥールの取説久保明教読み終わったまずは本書の概要をあらわす簡単な見取り図を示そう。それは、私たちはいかにしてこの世界について何事かを知りうるのかという問いを通じて、本書で扱うブルーノ・ラトゥールの議論を位置づけるものである。p.9 - 2026年2月20日
文化が違えば,心も違う?北山忍読み終わった本書のテーマを一言で言うなら、多様性の本質とは何か?である。ここでの議論は以下の三点に要約できる。 (1)現代の文化の多様性を理解するためには、過去数千年、ことによると数万年、あるいはそれ以上にわたる生態条件、生活環境、移住移民といった要因を考慮に入れる必要がある。 (2)こうした時間軸の中で多様性を考えると、そこには自ずと人類共通の基盤が立ち現れる。 (3)このように考えることによって、真の相互理解が可能になる。 p.ⅱ - 2026年2月9日
日本近代科学史村上陽一郎読み終わったしたがって、表面的な体裁を見れば、本書は、時代の推移をほぼ忠実に追って書かれた、日本における西欧科学受容の小通史という形をとってはいるが、記述の中心点は、あくまで、日本文化の特質を、西欧科学という踏み絵を使って考えていこうとするところにある。pp.4-5 - 2026年1月24日
- 2026年1月21日
テクノ封建制 デジタル空間の領主たちが私たち農奴を支配する とんでもなく醜くて、不公平な経済の話。ヤニス・バルファキス,斎藤幸平,関美和読み終わったせっかちな読者のために、あらかじめおことわりしておこう。テクノ封建制についての説明は第三章まで出てこない。私の書くことを理解してもらうにはまず、ここ数十年における資本主義の驚くべき変容を振り返る必要がある。それが第二章だ。本の冒頭にはテクノ封建制の話はまったく出てこない。第一章では、私の父が金属片とヘシオドスの叙事詩の助けを借りなが ら、六歳だった私にテクノロジーと人間の複雑な関係と、資本主義の本質をどのように説明してくれたかを書いた。この教えが、その後に続くすべての考えの原則を導く出発点になった。 そして結論へと導いてくれたのもまた、一九九三年に父が私に投げかけた一見単純な問いだった。だから、ここからは父への手紙という形でしたためることにする。この本は、父の大切な問いに答えようとする私の試みである。pp.8-9 - 2026年1月19日
- 2026年1月13日
正欲朝井リョウ読み終わった自分が想像できる“多様性”だけ礼賛して、秩序整えた気になって、そりゃ気持ちいいよなー。息子が不登校になった検事・啓喜。初めての恋に気づく女子大生・八重子。ひとつの秘密を抱える契約社員・夏月。ある事故死をきっかけに、それぞれの人生が重なり始める。だがその繋がりは、“多様性を尊重する時代”にとって、ひどく不都合なものだった。読む前の自分には戻れない、気迫の長編小説。
読み込み中...

