たつ "命の砦" 2026年1月12日

たつ
@tatsu22
2026年1月12日
命の砦
命の砦
夏川草介
夏川草介さんの「命の砦」読了 「臨床の砦」の姉妹作である本作品 同氏の「レッドゾーン」を改題・加筆修正して文庫で出版された作品。  臨床の砦の続編とあったため、手に取った。 読み終わった後、改めて「臨床の砦」を読みたくなった。  本書は右も左も分からない中、コロナ第一波に立ち向かった医療従事者達の話。 本作を読みながら感じたのは5-6年前のコロナ初期のことが自分でも驚くくらい過去のものになってしまっていること。 本書はフィクションではあるが、治療法も確立していない未知の感染症に対する医療に従事した人たちが向き合った事実を記録した書でもある。  本書を読みながら、小学生時代に経験した東日本大震災の記憶が蘇った。私自身、東京で大きな揺れを感じたに過ぎず、実際に地震や津波の被害を受けた方、東北に支援に行かれた方の記憶には遠く及ばない。しかし、余震に備えていつでも外に出られるようにし、揺れで家が軋む音を聞きながら、テレビで町が濁流に飲まれる様子は忘れることは無い。  コロナ禍もある種、似たようなところがあるのかもしれない。連日、感染者が何人、死者が何人、緊急事態宣言、そういった報道をテレビで見ながら、人と会わずに過ごしたコロナの第一波。当時、半年ほどはほぼ人と会っていない、という人もいれば一応気をつけているとは言いつつ、飲みに行く人もおり、感染拡大に対する危機感も人によって全く違ったことを覚えている。  私自身も、未知の感染症ものに対する恐怖は感じつつも、実際にコロナに対する医療に向き合った人たちの逼迫した状況は何ひとつ分かっていなかった。 本書では、医療従事者ですら、コロナ診療に携わる人間とそうでない人間の危機意識の違いも描かれている。  感染症に限らず災害や国際情勢、高齢化問題、地域の過疎化、多種多様な問題が積み重なり、そこに向き合う人間が確かにいるはずだ。想像力を持って生きていきたい。
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