たつ
@tatsu22
- 2026年1月15日
- 2026年1月12日
命の砦夏川草介読み終わった夏川草介さんの「命の砦」読了 「臨床の砦」の姉妹作である本作品 同氏の「レッドゾーン」を改題・加筆修正して文庫で出版された作品。 臨床の砦の続編とあったため、手に取った。 読み終わった後、改めて「臨床の砦」を読みたくなった。 本書は右も左も分からない中、コロナ第一波に立ち向かった医療従事者達の話。 本作を読みながら感じたのは5-6年前のコロナ初期のことが自分でも驚くくらい過去のものになってしまっていること。 本書はフィクションではあるが、治療法も確立していない未知の感染症に対する医療に従事した人たちが向き合った事実を記録した書でもある。 本書を読みながら、小学生時代に経験した東日本大震災の記憶が蘇った。私自身、東京で大きな揺れを感じたに過ぎず、実際に地震や津波の被害を受けた方、東北に支援に行かれた方の記憶には遠く及ばない。しかし、余震に備えていつでも外に出られるようにし、揺れで家が軋む音を聞きながら、テレビで町が濁流に飲まれる様子は忘れることは無い。 コロナ禍もある種、似たようなところがあるのかもしれない。連日、感染者が何人、死者が何人、緊急事態宣言、そういった報道をテレビで見ながら、人と会わずに過ごしたコロナの第一波。当時、半年ほどはほぼ人と会っていない、という人もいれば一応気をつけているとは言いつつ、飲みに行く人もおり、感染拡大に対する危機感も人によって全く違ったことを覚えている。 私自身も、未知の感染症ものに対する恐怖は感じつつも、実際にコロナに対する医療に向き合った人たちの逼迫した状況は何ひとつ分かっていなかった。 本書では、医療従事者ですら、コロナ診療に携わる人間とそうでない人間の危機意識の違いも描かれている。 感染症に限らず災害や国際情勢、高齢化問題、地域の過疎化、多種多様な問題が積み重なり、そこに向き合う人間が確かにいるはずだ。想像力を持って生きていきたい。 - 2026年1月4日
臨床の砦 (小学館文庫)夏川草介読み終わった昨年「スピノザの診察室」、「エピクロスの処方箋」から夏川草介さんの著作を読み始めた。 本作は、2021年1月のコロナ第三波に立ち向かった病院と医療従事者の話である。 コロナ禍にあった、感染者やクラスターに対しての非難、誹謗中傷、感染者をまるで犯罪者の一族であるかの如く扱う論調、空気感。 真偽不明の情報があっという間に拡がるこの時代、未知のものへの恐怖や不安はあっという間に膨らみ拡がり、不信感が蔓延するのはウイルスの感染よりも速いのかもしれない。 "「大切なことは、我々が同じような負の感情にのまれないことでしょう。怒りに怒りで応じないこと。不安に不安で応えないこと。難しいかもしれませんが、できないことではありません」" (本文より) コロナ禍は既に落ち着き、徐々に過去のものになりつつあるように感じる今日この頃。 国際情勢が不安定な中、戦争への不安や、膨れ上がった社会保障や破綻が見え透いた年金問題、政治への不信感。 声の大きい意見がSNSで目立ち、一見誰もが主張をぶつけ合っているように見えてしまうが、実際は多くが平和と繁栄を祈る静観であろう。 向こう岸から石を投げつけたり、分断を煽るのではなく、余裕がない時こそ、ほんの少しでも深呼吸して、負の感情の伝播を食い止めたい。 善き人でありたい。
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