
ふるえ
@furu_furu
2026年1月14日
いいことばかりは続かないとしても
大崎清夏
読み終わった
“大きな山の絵が、北側の壁から滲む柔らかい外光に包まれている。絵のなかで、森と石垣は斜めに迫り出している。ああ、夏なんだ、と私は思う、それも、いま私の過ごしている、とても湿度の高い、六月の終わりの、梅雨の明けきらない、すべてのものが水分を宿すような時期の、それは、夏に見える。”
大崎清夏『いいことばかりは続かないとしても』(河出書房新社)p.201
何かを書く時に、あの人のああいう文章を書けたらいいなとたまに思うけれど、大崎さんのこの文章を読んだ時に改めて思った。
詩のように世界を見ているというか、目の前のことを捉えるための言葉が詩のようになるというような、そんな文章に読める。湿気のある6月の、梅雨の時期を「すべてのものが水分を宿すような時期」とか、書けるんだ。すごいな、いいなとなりながら気分よく読み終えて、うっとりする。
