
勝村巌
@katsumura
2026年1月17日

読み終わった
正月に親子で本屋行ったら玄が読みたいと持ってきたので購入。面白かったというので、僕も読んでみた。筆者は『ソース焼きそばの謎』『あんかけ焼きそばの謎』といった焼きそば関連の前書が2冊もあるという焼きそばのエキスパートで、三部作の完結編がこの『カップ焼きそばの謎』だという。
もちろん、この本から読んでも全然OKで、カップ焼きそばの知られざる秘密がこれでもかと列挙され、目からウロコが那智の滝のようにこぼれ落ちた。
本の内容としては即席麺としてのカップ焼きそばの誕生から、現在までの約50年の歴史を各社の代表的カップ麺の特徴と経営や販売方針を経済誌などの情報を丹念に調べて、大変に上手く分類して流れを作っている内容だった。
マーケティングや経営についての良書として読んだ。
元祖カップ焼きそばのエビスカップ焼きそば、東日本の雄ペヤングソース焼きそば、妥当カップヌードルを狙う日清の日清焼きそばUFO、大盛りで市場を席巻したスーパーカップ大盛りイカ焼きそば、袋麺の王者が放ったヒット作、サッポロ一番おたふくソース焼きそば、からしマヨネーズを発明した明星一平ちゃんの店の焼きそば、オープン価格帯の頂点に立つマルちゃんごつ盛りソース焼きそばなど、の誰もがコンビニやスーパーなどでみたことや食べたことのある商品の開発から、味や容器などのコンセプト、販売戦略などを細かく分類して紹介している。
即席麺には袋麺とカップ麺があり、その販売数はカップ麺が6割を占め、そのカップ麺の中でもシェアトップは実は焼きそば味なのだという。
確かに自分もあの独特のソース味が無性に食べたくなることがある。昔、知り合いだった人でカップ麺の味だけで銘柄を当てられるという人がいて、すごい才能だと思ったものだが、この本を読んだ今となっては、各種カップ焼きそばの個性は明白になったので、僕だって少し食べ比べればそれはできそうなものだ。
とはいえ、1974年に初めて市場に出たカップ焼きそばなので、2024年には発売50周年を迎えている。その間に生まれては消えたり、まだ生き残っている味について、綿密なリサーチがなされているのはたいへんに読み応えがある。
マルカのペヤングは異物混入などで危機的状況もあったが、基本の味はほとんど買えずに、基本は東日本だけで変わらぬ味を守っている、とか、カップヌードルで全国シェアの強い大企業日清の焼きそばUFOはこまめに味を変えたり、パッケージを変えたり、大規模なCMを打ったりしてシェア一位をまもっているということ、またからしマヨネーズで一世を風靡した明星は現在は日清の子会社になっていること。
同様に大盛りで知られるエースコックも実はサッポロ一番ブランドで知られるサンヨー食品の子会社となっている。
食品会社の同系列商品ブランドの子会社かは業界ではカニバリズム(共食い)とも言われて嫌悪されることが多いようだが、これらの業務提携はお互いのブランドを尊重する良い関係を維持する友好的な買収になっていることも多い。
この辺りの情報も業界誌のインタビュー記事などをよく拾っており感心する。
結果、カップ焼きそば戦国史というようなたいへんにエキサイティングな流れを楽しむことができた。経営とかに興味ある人は読んでみるといいと思います。
また、この本の中で述べられている話ですが、カップ焼きそばは焼いてないのに焼きそばと言っていいのか? という点についてですが、筆者は言い切って良い、というスタンス。
調理において焼くというのは直火で焼くことであり、直火の焼き魚とか焼き鳥は焼きだが、鉄板で熱を通すのは通常は炒めである、と。
そうなると元々の焼きそばも本来は炒めそばなので、そう考えると細かいことは気にしなくて良い、という考え方、という見地らしい。
確かにそういうものかもしれないが、カップ焼きそばには独特のカップ焼きそば味というものが明確に存在しているとは確信をもっていえる僕でした。



