
忠邦
@tadakuni
2026年1月18日
冷血(上)
高村薫
読み終わった
私自身高校時代に「レディ・ジョーカー」を読んで以来の高村薫のファンである。
この本も何度か読んでいるか、「レディ・ジョーカーより展開が地味だし、歯医者がまた出てきてるし」とそんなに評価していなかった。
ただ社会人になり、話の最重要舞台である16号線のある街で暮らすようになってからの再読で、やっとこの小説の雰囲気を理解することができた。没個性なロードサイドが円環を作り、どこにも抜け出せない感覚。同じロードサイドを舞台とし、永遠風景の変わらない、「パリ、テキサス」を小説の中で何度も出すことで、この変わらなさを表現するのもうまい。
そしてこの16号線沿線人口は1000万人を超えると言われる。高村薫は、東京ばかり描く凡百の日本の小説家と全く違うベクトルを持って日本社会を描く稀有な小説家である。
