小夜
@snowdrop_0
2026年2月18日

雨夜の星たち
寺地はるな
読み終わった
カバーを好きなイラストレーターさんが担当していること、また話の主人公に自分によく似た部分を感じ、読むことにした。
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1/26
読み始める。60ページほど読む。
回想の、星崎くんの話が辛くて、いちど閉じる。
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2/16
あれ以来、ばたばたしていて読めていなかった。
星崎くんのことが浮かび、少し躊躇ったが、それでも続きが気になり、2時間ほど集中して、174ページまで読んだ。
あともう少し。
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2/18
読了。
この話には、善人はいない。
出てくる人みんな多面的に描かれている。
だから、良い人だと思っている登場人物に、多かれ少なかれ、仄暗い一面が、ほぼ描かれている。
普通にクズな奴もいる。
最後は、雨音も、星崎くんも、霧島も、
良い方向へ向かいそうな終わりでよかった。
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以下、読まなくていい、長ったらしい感想。
・主人公の三葉雨音は、決して、杓子定規で、他人の感情を汲めない人ではない。
送迎代行として、客と職員という立場はあれど、対等な関係性を保とうとするし、対価分は働くし、不可能なことを依頼されても、できる限りの代替案を考えて、提案できる(権藤さんへの傘のやつ等)。
人間関係に蔓延る、忖度、"察して"ほしいという行為→それが自分の思い通りにいかないと"常識"を振りかざして罵倒する行為、同調圧力に対して、一線を引いて、正当に自分を守っているだけ。
依頼主が言う、出来ないことに対して、はっきりnoと言えるところがすごい。し、羨ましいし、憧れる。
・ただ、星崎くんの母親とのやり取りのときは、雨音の持ち味が、裏目に出てしまったと感じた。
雨音は、大きな喪失体験がない。本人も、これまで経験したものは全て"遠い"と述べていた。だからこそ、飾りのない現実的な雨音の発言は、相手が憔悴していると理解していながらも、想像力の足りないものになってしまう。
それで、星崎くんの母親を追い詰めてしまうような、苛立たせてしまうような結果になったのだと思う。
けれど、雨音は、最初に述べたように、感情がわからない人間ではない。末期の依頼主(権藤)のことを考えていたときに、手が震えていた。彼女もこの先で経験したら、ちゃんと自分なりに考えて、行動ができるのではないか。
・物語でも、現実でも、異性でも、同性でも、すぐにふたりの仲を恋愛関係だと見ようとしたり、無理やりくっつけさせようとする世相が、私も好きではない。
だから、『「友だち」が「恋人」より格下だってわけじゃないと思います』という台詞にとても共感した。
・『どうして金銭で得た繋がりを、そうでないものより一段下のように決めつけるのだろう。』という一文には、ハッとした。自分にもそう思っている節があった気がして、"そうじゃない場合"が自分にもあったじゃないかと、反省した。
・雨音の、相手が肝心な話をしているときに、よそ見をする癖。
これは回避行動、防衛反応であることは確かなのだが。
"肝心"が、誰に対して"肝心"なのかも重要で。
熱弁する相手にとっては肝心でも、自分にはそうでもないと感じているときに、相手の熱が落ち着くのを待つために、気を逸しているような気がする。
それが、何かを決め付ける趣旨のものだったり、こちらを負かそう・屈服させようとするための言葉なら、意識は遠くの彼方に行ってしまうし、土俵を降りて、自分がいなくなったことにも気づかずに、悦に入って永遠喋る相手を滑稽に見てしまうよなぁと思う。
・出産後の雨音のお姉さんのシーン。
私も何故か雨音と共に、『お姉ちゃんも、強くて安心』していた。
たぶん、お姉さんが、ただ"バランスを取るのがうまい性格"の人だったら、他軸でばかり動いて、そのうちぷっつり切れてしまう気がしていたけど、本音を雨音に吐露できたことも、これから母親に"復讐"していくことも、お姉さんの主軸の部分が見えたから、ホッとしたのだと思う。
・義兄さん、人当たりがよくて、自分の妻と妹の関係が切れてしまうことも心配してくれている良い人。
妻が出産を期に、もともとあった強い部分が露呈したから、これから妻と義母の問題に巻き込まれてしまうのだろうなぁ……の遠い目になる。
・霧島。自分が大人になって、その時の状況が理解できたって、霧島にしてみればそりゃたまったもんじゃないと思う。
妹に苛つかれたって、それはセツ子さんと妹の感情、思いであり、自分の気持ちを飲み込んで了承する義理はない。
でも、自分の中で折り合いをつけた上で会えたのは、外野としては良かったなぁとは思う。
ちゃんと送迎代行の法人作って、雨音の"しごと"を"仕事"にするケリもつけたのも良かった。