
人工芝
@_k55y
2026年1月18日
累々
松井玲奈
読み終わった
人の数だけ、その人なりの「私」がある。
そして、私には見えていない世界も存在している。
一人の女性を、さまざまな視点から描いた物語。
人物の心情描写がとても丁寧で、胸に残った。
私たちは、自分が見ているその人の姿を「すべて」だと思いがちだ。
本当は決してそうではないと、分かっているはずなのに。
それでも、どこかで勘違いしてしまう。
理解しているつもりで、理解しきれていない。
そしてそれは、自分自身も同じだ。
私だって、すべてをさらけ出して生きているわけではない。
それなのに、いつの間にか
「あなたはこういう人だ」と
誰かの中で理想像が作られていく。
その危うさと切なさを、静かに突きつけられる一冊だった。
