
人工芝
@_k55y
読書感想はあくまで自己満です。定期的に読書スランプ発生
- 2026年9月11日
拷問依存症櫛木理宇読み終わった櫛木理宇、今回も容赦がない。 タイトル通り凄惨な描写が続くけれど、ただ残酷なだけではなく、「人はどこまで壊れるのか」「正義と加害の境界はどこにあるのか」を突きつけられるような一冊だった。 読んでいて胸糞悪くなるのに、ページを捲る手が止まらない。 嫌悪感と好奇心を同時に煽ってくる、この感覚がなんとも櫛木理宇らしい。 救いを求めて読む作品ではない。 むしろ、読み終えたあとに残るのは恐怖よりも、人間そのものへの嫌悪感かもしれない。 そして何より、 「そこまでやるか」と思わせてくる容赦のなさ。 依存症シリーズ、今回も精神を削られました。 - 2026年9月9日
監禁依存症櫛木理宇読み終わった「罪を犯した人間は、法によって裁かれるべきなのか。それとも、被害者や遺された人たちの憎しみまで、法は救ってくれるのか。」 読んでいる間ずっと、正義と復讐の境界を突きつけられているような感覚だった。 誰かにとっての正義が、別の誰かにとっては新たな地獄になる。 そんな単純には割り切れない感情を容赦なくえぐってくる。 櫛木理宇らしい嫌な余韻と、人間の醜さがこれでもかと詰め込まれた一冊。 読み終えたあとも、胸の奥にずっと重たいものが残る。 - 2026年9月9日
残酷依存症 (幻冬舎文庫)櫛木理宇読み終わった「因果応報」という言葉で片づけてしまえば簡単なのに、そんな一言では到底飲み込めないほど、救いのない物語だった。 読み進めるほど胸糞悪さが増していくのに、なぜか目を逸らせない。 そして何より、自分でも驚くほど被害者に同情できない。その感情すらも作者に見透かされているようで、読後には嫌な余韻だけが残った。(褒めてる) 人間の醜さ、残酷さ、そして歪んだ因果が絡み合う。 「こんな話、救いがなさすぎる」と思うのに、それこそがこの作品の恐ろしさなのだと思う - 2026年9月8日
あなただけに許す距離一木けい読み終わった恋をするということは、誰かとの距離を縮めることだと思っていた。 けれど、この作品を読んでいると、 近づくことだけが愛ではないのだと思わされる。 近すぎれば息苦しく、遠すぎれば寂しい。 その人にしか許せない距離があり、その距離を探しながら人は誰かを愛していくのかもしれない。 五つの恋はどれも、綺麗なだけではない。 満たされなさや戸惑い、言葉にならない感情が静かに滲んでいて、それがかえって生々しい。 登場人物たちの「好き」という感情を眺めているうちに、いつしか自分自身の恋愛や、人との距離まで思い返してしまう。 愛することと、愛されること。 近づくことと、離れること。 そのどちらが正しいのかではなく、自分が息をしやすい場所を探していく。 『あなただけに許す距離』というタイトルが、読み終えたあとに静かに胸へ残る一冊だった。 - 2026年9月6日
ガリレオの苦悩東野圭吾読み終わった論理だけでは割り切れない人間の感情と、感情だけでは辿り着けない真実。 その二つの間を行き来しながら、静かに事件の核心へ近づいていく過程がとても面白かった。 湯川の冷静な推理はもちろん、事件の裏側にある人間の苦悩や、それぞれの選択にも心を掴まれる。 「真実を知ることが、必ずしも人を救うとは限らない」 そんなことを考えさせられる、ガリレオシリーズらしい一冊だった。 - 2026年9月6日
推理小説秦建日子読み終わった『アンフェア』の原作ということで手に取った『推理小説』。 事件そのものの不穏さもさることながら、誰もが何かを隠しているような緊張感が終始漂っていて、ページを捲るたびに疑念が深まっていく。 正しさとは何なのか、誰を信じるべきなのか。 読み進めるほどに、その境界が曖昧になっていく感覚が面白かった。 派手な展開に目を奪われながらも、最後に残るのは人間の疑心と、それぞれが抱える思惑。 ドラマとはまた違う、原作ならではの味わいを楽しめた一冊だった。 - 2026年8月31日
殺人依存症櫛木理宇読み終わったとにかく重い。読んでいて何度も嫌な気持ちになるのに、続きが気になってページをめくる手が止まらない。 ただ残酷なだけではなく、人間の弱さや歪み、罪の連鎖がじわじわと描かれていて、読後にかなり嫌なものを残していく作品。 救いを求めて読む本ではないけれど、この胸糞悪さすら作品の魅力だと思える一冊だった。 - 2026年8月21日
- 2026年8月14日
予知夢東野圭吾読み終わったガリレオシリーズ2作目。 今回も「それって本当に科学で説明できるの?」と思ってしまうような不可解な出来事が出てきて、そこから湯川がどう解き明かしていくのかが面白かった。 短編集だから一話ずつ読みやすいのに、 どの話もちゃんと違った面白さがあって 少しずつ読み進めるのにも向いてる。 一見すると超常現象や偶然に思えることも、 湯川の視点で見ていくと少しずつ見え方が変わっていくのがいい。 『探偵ガリレオ』よりも、事件そのものだけじゃなく 人の感情や過去が絡んでくる感じも印象的。 - 2026年8月14日
釣り侍佐藤賢一読み終わった命懸けの勝負として描かれる磯釣りが印象的な作品。 仕事にはそこまで熱心じゃないのに、 釣りとなると途端に真剣になる主人公がなんとも良くて、 どこか親しみを感じながら読めました。 釣りの場面はもちろん、武士の世界や人情、 家族とのやり取りなども丁寧に描かれていて 思っていたよりもずっと温かみのある物語。 また魚を調理して食べる描写がリアルで飯テロでもある。 - 2026年8月6日
- 2026年7月27日
永遠の記憶東野圭吾読みたい読むのが楽しみ訃報に触れて、こんなにも悲しいのは、先生が私のことを知らなくても 先生の作品は確かに私の人生の一部だったからなのだと思います。 本を閉じても物語は終わらず、登場人物や言葉は、何年経ってもふとした瞬間に思い出される。 そんな作品を、先生は何冊も遺してくださいました。 最後の新刊を読める日を、今も楽しみにしています。 その一冊を読み終えたとき、きっと寂しさは今よりずっと大きくなるのでしょう。 長い間、本当にありがとうございました。 - 2026年7月20日
星を編む凪良ゆう読み終わったこの作品を読んでいると、「人は誰かの人生の脇役でありながら、その誰かにとっては決して脇役ではない」ということを何度も思わされる。 名前も知らないような誰かの言葉や、小さな優しさ、あるいは何気なく交わした時間が、その後の人生を支えていることがある。 『星を編む』は、そうした目には見えない糸を一本一本確かめるように描いている。 印象的なのは、善悪や正解を簡単に決めつけないところだ。 人は誰しも未熟で、誰かを傷つけることもあれば、救うこともある。 そのどちらか一方だけで語れる人間はいない。 だから登場人物たちは皆、不完全なまま生きていて、その姿が驚くほど現実に近い。 読みながら何度も、「この人にもこんな事情があったのか」と視点が揺さぶられ、人を理解することの難しさと尊さを改めて考えさせられた。 - 2026年7月16日
Mother坂元裕二読み終わった「母」という言葉に宿る意味を増やすのではなく、 その輪郭を静かに揺らしていく物語だった。 人は誰かを守ろうとするとき、正しさだけでは歩いていけない。 愛情はときに理性を追い越し、常識では測れない選択へと人を導く。 本作は、その危うささえ否定することなく、 ただ一人の人間の切実な願いとして描き出している。 坂元裕二の紡ぐ言葉は、声高に感情を語らない。 だからこそ、行間に滲む沈黙やためらいが、読者の心にゆっくりと染み込んでくる。 言葉にならなかった想いほど雄弁であることを、この作品は静かに教えてくれる。 読み終えたあとに残るのは、答えではなく余韻だった。 「母」とは血縁なのか、記憶なのか、それとも誰かを守り抜こうとする意志なのか。 その問いは物語を閉じても終わらず、読者の中で静かに息を続けている。そんな一冊だった。 涙腺崩壊するので運ん読する際には気を付けてほしい。 - 2026年7月12日
あなたの不幸は蜜の味乃南アサ,他,宮部みゆき,小池真理子,新津きよみ,沼田まほかる,細谷正充,辻村深月読み終わった人間の心の奥底にひそむ感情を静かに、 しかし容赦なく映し出す短編集だった。 タイトルから想像する以上に描かれているのは「悪人」の物語ではない。 誰の心にも芽生えうる嫉妬や優越感、承認欲求といった感情が、ごく自然な形で物語へ溶け込んでいる。 そのため、登場人物を責めきれない一方で、 自分の中にも似た感情があるのではないかと問いかけられる瞬間がある。 短編ごとに作風は異なるが、共通しているのは人間の弱さを見つめる鋭い視線だ。 派手な展開に頼るのではなく、日常の延長線上にある小さな違和感や心の揺らぎを積み重ねることで、読後にじわりと余韻を残していく。 一冊を通して感じたのは、「人は他人を見ているようで、実は自分自身を映している」ということだった。 だからこそ、この作品は単なるイヤミスでは終わらない。 人間という存在の複雑さや危うさを、静かな筆致で描いた一冊として強く印象に残った。 - 2026年7月10日
追想五断章米澤穂信読み終わった過去とは決して終わった時間ではなく、今を生きる人間の中で形を変えながら息づき続けるものなのだと、静かに語りかけてくる作品だった。 物語は淡々と進んでいくが、その静けさの中には人が誰かを想う気持ちや、記憶が抱える曖昧さ、 そして言葉にされなかった感情が幾重にも折り重なっている。 一つひとつの出来事は控えめでありながら、読み進めるほどに少しずつ輪郭を帯び、最後にはまるで散らばっていた欠片が自然と一枚の絵になるような心地よさがあった。 米澤穂信の文章は必要以上に感情を煽らない。 それゆえに、読者自身が行間を歩き、登場人物の沈黙や視線の先にある想いを受け止める余白がある。 その余白こそが、この作品の豊かさなのだと思う。 過去を知ることは真実を暴くことではなく、誰かの人生にそっと触れることなのだと気づかされる。 ミステリーでありながら、人の記憶や愛情の儚さを丁寧にすくい上げた、品のある一冊だった。 - 2026年7月9日
嫉妬の香り辻仁成読み終わった恋愛小説でありながら、人の心に潜む「見えない感情」を静かに映し出した作品だった。 物語を読み進めるほどに、出来事そのものよりも登場人物たちの心の揺らぎへと意識が向かっていく。 確かな証拠よりも曖昧な気配や些細な違和感が感情を大きく揺さぶり、疑いというものは現実ではなく心の中で育っていくのだと気づかされる。 また強すぎる嫉妬は人生を狂わすのだと思い知らされる。 恋愛を描いた作品という枠には収まりきらず、 人が誰かを愛することの美しさと危うさ、その両方を静かな筆致で見つめた一冊だった。 読者自身の経験や感情によって、受け取る「香り」が少しずつ変わっていく作品なのかもしれない。 - 2026年7月6日
多類婚姻譚凪良ゆう読み終わった「結婚」という言葉を知っているつもりでいたけれど、 この作品を読んで、その輪郭は人の数だけ違うのだと改めて思った。 誰かと生きることは、ただ好きという気持ちだけでは成り立たない。価値観や常識、社会の目、自分でも気づいていなかった願い。それらが静かに積み重なって、人と人との関係を形づくっていく。 正解を教えてくれる物語ではなく、それぞれが抱える幸せや孤独にそっと寄り添いながら、「普通」とは何かを問いかけてくる一冊。 「幸せ」の形は一つではない。 そんな当たり前のようで難しいことを、静かな筆致で丁寧に描いた作品。 人は誰かと生きるために結婚するのか。 それとも、自分らしく生きるために結婚という形を選ぶのか。 読み進めるほどに、その境界は曖昧になっていく。 - 2026年6月27日
ラブレス桜木紫乃読み終わった誰かを責めれば楽になれる物語ではなく、それぞれが自分なりに懸命に生きた先で、少しずつ重なり合い少しずつ離れていく。 人生は、選ばなかった道よりも、選ぶしかなかった道のほうがずっと心に残るのかもしれない。 この作品には、大きな言葉で語られる「愛」はあまりない。 けれど、言えなかった一言や飲み込んだ想いのほうが ずっと雄弁だった。 人は、愛があるから傷つくのではなく、愛し方を知らないまま誰かを想ってしまうから傷つくのかもしれない。 そして、誰かの沈黙には理由があって、優しさはいつも正しい形で届くとは限らない。 きっと、この物語は読む人によって残る景色が違う そんな作品と感じた。 - 2026年6月24日
木暮荘物語三浦しをん読み終わった大きな出来事が起こるわけじゃない。 けれど、人が生きているだけで物語になるのだと感じさせてくれる +人は性と上手く付き合っていかねばならないのだと感じる作品だった。 木暮荘に暮らす人たちは、特別な誰かではない。 恋に悩んだり、孤独を抱えたり、過去を引きずったり。 どこにでもいそうな人たちだからこそ、その気持ちが不思議なくらい胸に響く。 誰にも見せていない感情や、言葉にできなかった想い。 そんな小さな心の動きを丁寧にすくい上げるような物語だった。 人と人との距離は近すぎても遠すぎても難しい。 それでも誰かと関わりながら生きていく温かさを感じる。 読み終えたあと、何気ない日常が少しだけ愛おしく見えた。
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