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人工芝
人工芝
@_k55y
読書感想はあくまで自己満です。定期的に読書スランプ発生
  • 2026年8月14日
    予知夢
    予知夢
    ガリレオシリーズ2作目。 今回も「それって本当に科学で説明できるの?」と思ってしまうような不可解な出来事が出てきて、そこから湯川がどう解き明かしていくのかが面白かった。 短編集だから一話ずつ読みやすいのに、 どの話もちゃんと違った面白さがあって 少しずつ読み進めるのにも向いてる。 一見すると超常現象や偶然に思えることも、 湯川の視点で見ていくと少しずつ見え方が変わっていくのがいい。 『探偵ガリレオ』よりも、事件そのものだけじゃなく 人の感情や過去が絡んでくる感じも印象的。
  • 2026年8月14日
    釣り侍
    釣り侍
    命懸けの勝負として描かれる磯釣りが印象的な作品。 仕事にはそこまで熱心じゃないのに、 釣りとなると途端に真剣になる主人公がなんとも良くて、 どこか親しみを感じながら読めました。 釣りの場面はもちろん、武士の世界や人情、 家族とのやり取りなども丁寧に描かれていて 思っていたよりもずっと温かみのある物語。 また魚を調理して食べる描写がリアルで飯テロでもある。
  • 2026年8月6日
    探偵ガリレオ (文春文庫 ひ 13-2)
    一見すると説明のつかない不可解な事件ばかりですが、湯川先生が科学的な視点で一つひとつ解き明かしていく展開がとても面白かった。 難しそうな科学の話も、物語の中では不思議と読みやすく ページをめくる手が止まりませんでした。 短編集なので少しずつ読めるのも魅力で、それぞれ違った謎を楽しめるのも良かったです。 「こんなことが本当に起こるのだろうか」と考えながら読み進め、真相が明らかになったときには思わず納得してしまう場面が何度もありました。 ミステリーが好きな人はもちろん、 普段あまり本を読まない人でも読みやすい一冊だと思う。
  • 2026年7月27日
    永遠の記憶
    永遠の記憶
    訃報に触れて、こんなにも悲しいのは、先生が私のことを知らなくても 先生の作品は確かに私の人生の一部だったからなのだと思います。 本を閉じても物語は終わらず、登場人物や言葉は、何年経ってもふとした瞬間に思い出される。 そんな作品を、先生は何冊も遺してくださいました。 最後の新刊を読める日を、今も楽しみにしています。 その一冊を読み終えたとき、きっと寂しさは今よりずっと大きくなるのでしょう。 長い間、本当にありがとうございました。
  • 2026年7月20日
    星を編む
    星を編む
    この作品を読んでいると、「人は誰かの人生の脇役でありながら、その誰かにとっては決して脇役ではない」ということを何度も思わされる。 名前も知らないような誰かの言葉や、小さな優しさ、あるいは何気なく交わした時間が、その後の人生を支えていることがある。 『星を編む』は、そうした目には見えない糸を一本一本確かめるように描いている。 印象的なのは、善悪や正解を簡単に決めつけないところだ。 人は誰しも未熟で、誰かを傷つけることもあれば、救うこともある。 そのどちらか一方だけで語れる人間はいない。 だから登場人物たちは皆、不完全なまま生きていて、その姿が驚くほど現実に近い。 読みながら何度も、「この人にもこんな事情があったのか」と視点が揺さぶられ、人を理解することの難しさと尊さを改めて考えさせられた。
  • 2026年7月16日
    Mother
    Mother
    「母」という言葉に宿る意味を増やすのではなく、 その輪郭を静かに揺らしていく物語だった。 人は誰かを守ろうとするとき、正しさだけでは歩いていけない。 愛情はときに理性を追い越し、常識では測れない選択へと人を導く。 本作は、その危うささえ否定することなく、 ただ一人の人間の切実な願いとして描き出している。 坂元裕二の紡ぐ言葉は、声高に感情を語らない。 だからこそ、行間に滲む沈黙やためらいが、読者の心にゆっくりと染み込んでくる。 言葉にならなかった想いほど雄弁であることを、この作品は静かに教えてくれる。 読み終えたあとに残るのは、答えではなく余韻だった。 「母」とは血縁なのか、記憶なのか、それとも誰かを守り抜こうとする意志なのか。 その問いは物語を閉じても終わらず、読者の中で静かに息を続けている。そんな一冊だった。 涙腺崩壊するので運ん読する際には気を付けてほしい。
  • 2026年7月12日
    あなたの不幸は蜜の味
    あなたの不幸は蜜の味
    人間の心の奥底にひそむ感情を静かに、 しかし容赦なく映し出す短編集だった。 タイトルから想像する以上に描かれているのは「悪人」の物語ではない。 誰の心にも芽生えうる嫉妬や優越感、承認欲求といった感情が、ごく自然な形で物語へ溶け込んでいる。 そのため、登場人物を責めきれない一方で、 自分の中にも似た感情があるのではないかと問いかけられる瞬間がある。 短編ごとに作風は異なるが、共通しているのは人間の弱さを見つめる鋭い視線だ。 派手な展開に頼るのではなく、日常の延長線上にある小さな違和感や心の揺らぎを積み重ねることで、読後にじわりと余韻を残していく。 一冊を通して感じたのは、「人は他人を見ているようで、実は自分自身を映している」ということだった。 だからこそ、この作品は単なるイヤミスでは終わらない。 人間という存在の複雑さや危うさを、静かな筆致で描いた一冊として強く印象に残った。
  • 2026年7月10日
    追想五断章
    追想五断章
    過去とは決して終わった時間ではなく、今を生きる人間の中で形を変えながら息づき続けるものなのだと、静かに語りかけてくる作品だった。 物語は淡々と進んでいくが、その静けさの中には人が誰かを想う気持ちや、記憶が抱える曖昧さ、 そして言葉にされなかった感情が幾重にも折り重なっている。 一つひとつの出来事は控えめでありながら、読み進めるほどに少しずつ輪郭を帯び、最後にはまるで散らばっていた欠片が自然と一枚の絵になるような心地よさがあった。 米澤穂信の文章は必要以上に感情を煽らない。 それゆえに、読者自身が行間を歩き、登場人物の沈黙や視線の先にある想いを受け止める余白がある。 その余白こそが、この作品の豊かさなのだと思う。 過去を知ることは真実を暴くことではなく、誰かの人生にそっと触れることなのだと気づかされる。 ミステリーでありながら、人の記憶や愛情の儚さを丁寧にすくい上げた、品のある一冊だった。
  • 2026年7月9日
    嫉妬の香り
    恋愛小説でありながら、人の心に潜む「見えない感情」を静かに映し出した作品だった。 物語を読み進めるほどに、出来事そのものよりも登場人物たちの心の揺らぎへと意識が向かっていく。 確かな証拠よりも曖昧な気配や些細な違和感が感情を大きく揺さぶり、疑いというものは現実ではなく心の中で育っていくのだと気づかされる。 また強すぎる嫉妬は人生を狂わすのだと思い知らされる。 恋愛を描いた作品という枠には収まりきらず、 人が誰かを愛することの美しさと危うさ、その両方を静かな筆致で見つめた一冊だった。 読者自身の経験や感情によって、受け取る「香り」が少しずつ変わっていく作品なのかもしれない。
  • 2026年7月6日
    多類婚姻譚
    多類婚姻譚
    「結婚」という言葉を知っているつもりでいたけれど、 この作品を読んで、その輪郭は人の数だけ違うのだと改めて思った。 誰かと生きることは、ただ好きという気持ちだけでは成り立たない。価値観や常識、社会の目、自分でも気づいていなかった願い。それらが静かに積み重なって、人と人との関係を形づくっていく。 正解を教えてくれる物語ではなく、それぞれが抱える幸せや孤独にそっと寄り添いながら、「普通」とは何かを問いかけてくる一冊。 「幸せ」の形は一つではない。 そんな当たり前のようで難しいことを、静かな筆致で丁寧に描いた作品。 人は誰かと生きるために結婚するのか。 それとも、自分らしく生きるために結婚という形を選ぶのか。 読み進めるほどに、その境界は曖昧になっていく。
  • 2026年6月27日
    ラブレス
    ラブレス
    誰かを責めれば楽になれる物語ではなく、それぞれが自分なりに懸命に生きた先で、少しずつ重なり合い少しずつ離れていく。 人生は、選ばなかった道よりも、選ぶしかなかった道のほうがずっと心に残るのかもしれない。 この作品には、大きな言葉で語られる「愛」はあまりない。 けれど、言えなかった一言や飲み込んだ想いのほうが ずっと雄弁だった。 人は、愛があるから傷つくのではなく、愛し方を知らないまま誰かを想ってしまうから傷つくのかもしれない。 そして、誰かの沈黙には理由があって、優しさはいつも正しい形で届くとは限らない。 きっと、この物語は読む人によって残る景色が違う そんな作品と感じた。
  • 2026年6月24日
    木暮荘物語
    木暮荘物語
    大きな出来事が起こるわけじゃない。 けれど、人が生きているだけで物語になるのだと感じさせてくれる +人は性と上手く付き合っていかねばならないのだと感じる作品だった。 木暮荘に暮らす人たちは、特別な誰かではない。 恋に悩んだり、孤独を抱えたり、過去を引きずったり。 どこにでもいそうな人たちだからこそ、その気持ちが不思議なくらい胸に響く。 誰にも見せていない感情や、言葉にできなかった想い。 そんな小さな心の動きを丁寧にすくい上げるような物語だった。 人と人との距離は近すぎても遠すぎても難しい。 それでも誰かと関わりながら生きていく温かさを感じる。 読み終えたあと、何気ない日常が少しだけ愛おしく見えた。
  • 2026年6月24日
    約束した街
    約束した街
    過去は消えない。 そんな当たり前のことを、改めて突きつけられたような一冊だった。 物語を読み進めるうちに見えてくるのは、事件の真相だけではなく、それぞれが抱えた後悔や罪悪感、そして誰にも言えずに生きてきた時間の重み。 誰かとの約束は、時に人を支え、時に人を縛る。 だからこそ、その約束が持つ意味を考えずにはいられなかった。
  • 2026年6月24日
    愛した人を調べないでください
    タイトルの意味がずっと心に残る作品だった。 ミステリーとして物語を追いながらも、気になっていたのは事件の真相だけじゃなくて、登場人物たちの「好き」という感情の行方だった気がする。 誰かを大切に思うことは温かいはずなのに、その想いが少しずつ形を変えていく様子が苦しくて、切なくて、ページをめくる手が止まらなかった。 人は知りたい生き物だ。 だけど、知らないままのほうが幸せなこともあるのかもしれない。 愛することと知ることは、本当に同じなのだろうか。
  • 2026年6月22日
    滅びの前のシャングリラ
    タイトルやあらすじから想像していた以上に、 人の感情を丁寧に描いた作品だった。 読み始める前は壮大な終末の物語を想像していたけれど、実際にページをめくると目に入ってくるのは、一人ひとりの人生や抱えている想いだった。 登場人物たちは決して完璧ではなく、どこか不器用で、自分自身とも周囲とも向き合いながら進んでいく。 その姿がとても人間らしく、気付けば物語の中に引き込まれていた。 文章は読みやすいのに、胸の奥に静かに残る言葉が多い。派手な展開を追うというよりも、登場人物たちの心の動きを見守るような読書体験。 残された時間の中で人は何を大切にするのか。 切なさや温かさ、苦しさや優しさ。そのどれか一つではなく、さまざまな感情が静かに積み重なっていく。 大きな物語を読んだというより、誰かの人生に少しだけ触れさせてもらったような気持ちになる一冊だった。
  • 2026年6月20日
    日暮れのあと
    日暮れのあと
    人生は整理されて終わるわけではない。 失った人への想いも、叶わなかった願いも、消化しきれなかった感情も、そのまま抱えながら人は歳を重ねていく。 振り返ることしかできない時間の中で、それでも諦めきれない感情を抱えている。 その姿は時にみっともなく、身勝手で、痛々しい。 けれど、その弱さこそが人間らしくて胸を打つ。 誰かを忘れられないこと。 過去に囚われ続けること。 寂しさを抱えながら生きること。 それらは欠点ではなく、人が誰かを本気で愛した証なのかもしれないと、この作品は静かに語りかけてくる。 読み終えたあとに残るのは、「あの人は幸せだったのだろうか」という登場人物への問いだけではなく 「私は、誰を忘れられずに生きていくのだろう」 という、自分自身への問いもあるだろう。
  • 2026年6月17日
    九月が永遠に続けば(新潮文庫)
    人の心は、真実よりもずっと複雑で、ずっと切ない。 先の読めない展開に引き込まれながらも、人の心の複雑さに何度も立ち止まらされる作品だった。 物語は不穏な空気をまといながら進んでいくが、その奥にあるのは単なる謎ではなく、人が誰かを愛することの切実さや、失うことの痛みだったように思う。 登場人物たちは皆どこか不器用で、弱さや孤独を抱えている。その姿が妙に現実的で、読みながら胸が締めつけられる場面も多かった。 読み進めるほどに真実へ近づいていくはずなのに、むしろ人の心は簡単には理解できないものだと感じさせられる
  • 2026年6月17日
    白ゆき紅ばら
    白ゆき紅ばら
    読み進めるほどに「優しさとは何だろう」と考えさせられる物語だった。 誰かを守りたいという気持ち。 誰かの居場所になりたいという願い。 それらは本来とても温かいもののはずなのに、ときに人を縛り、傷つけてしまうこともある。 登場人物たちは皆、それぞれの孤独や不安を抱えていて、だからこそ誰かを求め、誰かに救いを求める。その姿がとても人間らしく、切なかった。 派手な展開で読ませる作品ではない。 けれど静かにページをめくるうちに、気づけば心の奥深くまで入り込んでくる。 読み終えたあとに残ったのは、悲しさだけではなく、どこか淡い希望だった。 人はひとりでは生きられない。けれど、誰かに寄りかかりすぎても生きられない。 その絶妙な距離感の難しさと尊さを、やさしい筆致で描いた作品だと感じた
  • 2026年6月17日
    母という呪縛 娘という牢獄
    この作品を読んでまず感じたのは、「怖い」のに目を逸らせないということだった。 親子の物語というと愛情や絆が語られることが多いけれど、本作はその裏側にある支配や期待、そして「あなたのため」という言葉の重さを突きつけてくる。読んでいるうちに、いつの間にか加害者や被害者という単純な構図では語れない苦しさに引き込まれていった。 特に印象的だったのは、人を縛るものは鎖ではなく、愛情の形をした呪縛なのかもしれないと考えさせられたことだ。逃げたいのに逃げられない、離れたいのに離れられない。その息苦しさが静かに胸に迫ってくる。 読み終えた後には強い衝撃が残る。しかしそれ以上に、「家族とは何か」「親が子を思うこととは何か」を深く考えさせられる一冊だった。 誰かを愛することと、誰かを支配すること。その境界線の危うさを突きつけられる、忘れがたいノンフィクションである。
  • 2026年6月14日
    花伽藍
    花伽藍
    人を愛することは、こんなにも美しく こんなにも残酷なのか。 『花伽藍』は、そんな問いを静かに胸へ残していく作品だった。 誰かを想った記憶がある人ほど、この物語の痛みと温もりに心を揺さぶられるかもしれない。 優しい言葉だけでは語れない関係や、誰にも理解されない想い。それでも誰かを愛さずにはいられない人間の姿に、何度も胸を締めつけられた。 読み終えたあとに残るのは、悲しみだけでも幸福だけでもない、言葉にしがたい余韻だった。 そして、愛とは何かを語るのではなく、愛の温度をそっと感じさせてくれる一冊だった。
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