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人工芝
人工芝
@_k55y
読書感想はあくまで自己満です。 そのため、作品を悪く書くことはありません。 ▷ Instagramに読書アカウント有り。
  • 2026年3月23日
    あなたの四月を知らないから
    しあわせとは何だろう。 自分の人生にとって、本当の幸せとは何なのか。 何を選ぶことが正しいのか。その答えは、簡単には見つからない。 置かれている立場や状況によって、この物語の受け取り方はきっと変わる。 だからこそ、自分自身に問いかけてしまう。 このままでいいのか、と。 その不安や揺らぎが、丁寧に、そして上品に言葉として紡がれている。 まるで人生の迷子のように、行き先が分からなくなる感覚。 結局、誰も自分の人生を代わりに生きてはくれない。 どんな選択も、自分で決めていくしかない。 それが正解でも、不正解でも、それでも生きていく。 けれど それでもなお、「これが自分の人生だ」と胸を張って言えるのなら、 それだけで、きっと幸せなのだと思う。
  • 2026年3月18日
    執着者
    執着者
    突然、壊される日常。 付きまとわれることの不気味さ。 勇気を振り絞って助けを求めた先に待っていたのは、 あまりにも無機質で、雑に扱われる絶望だった。 やはり、この世でいちばん怖いのは生きている人間なのだと、改めて思い知らされる。 背景が丁寧に描かれているにもかかわらず、拭いきれないほどの気味の悪さ。 まるで自分自身が付きまとわれているかのような錯覚に陥るほど、リアルな描写が続く。 読み進めるほどに、この物語が決して単純ではないことに気づかされ、 じわじわと恐怖と絶望が心に広がっていく。 理不尽と執着が絡み合い、 読む者の概念や理性にまで深く訴えかけてくる一作。
  • 2026年3月16日
    放課後にはうってつけの殺人
    「気持ち悪い」という言葉が、ここまで褒め言葉になる作品も珍しい。 誰も“家族”をまともにやっていないという現実。 それぞれが保身に走り、ただ「普通」が欲しかっただけのはずなのに、どこかで歪んでいく。 読んでいて胸糞が悪い。 登場人物はみな、自分のことばかり考えている。 けれど、それが妙に現実的で恐ろしい。 自分にとっては大切なことでも、他人にとってはどうでもいいことだったり、ただの暇つぶしに過ぎなかったりする。 人は利用し、利用される。 希望の光は見えない。 救いもなければ、誰も報われない。 それなのに、なぜか最後まで目が離せない。
  • 2026年3月13日
    放課後にはうってつけの殺人
    まだ読み終えていないのに、物語はここにきて一気に最悪の展開へ。思わず息をのみ、しばらくページをめくる手が止まりました。 こんな物語を書いてしまうなんて、と驚きながらも、気づけばすっかり引き込まれています。 夜更けに読むには、あまりにも強烈。 このまま読み続ければ、きっと朝になってしまうので、今日はここで一度本を閉じることにしました。続きはまた明日。 それにしても、この余韻。 夢にまで現れそうなほど、鮮烈で不穏な物語です。
  • 2026年3月10日
    代筆屋
    代筆屋
    代筆された手紙をめぐる物語。 思っていることを言葉にするのは難しい。 そして、それを文字にするのはきっともっと難しいのだろう。 この本を読んでいて、ふと手紙を書きたくなった。 今はLINEという便利なツールがあって、気持ちはすぐに伝えられる。 それでもやっぱり、手紙には手紙にしかない良さがあるのだと思う。 言葉や文字にするのが苦手な人のために、代わりに手紙を書く「代筆」という仕事。 どんな想いでも、きちんと相手に届く形にしなければならない。 その責任と難しさを思うと、本当にすごいことだと感じた。 たとえ下手でも、うまく書けなくてもいい。 それでも 自分の言葉で手紙を書いてみたい。
  • 2026年3月6日
    夜の道標
    夜の道標
    4人それぞれの視点から描かれる物語。 そこにあるのは、悲しみや葛藤そして言葉にしきれないやるせなさ。 「あの時、どうするのが正しかったのだろう」 「本当に、どうしようもなかったのだろうか」 読み進めるほどに、そんな問いが胸に残り続ける。 けれど、きっとあの出会いは無駄ではなかった。 そう思いたくなる物語だった。 ここまで重たい作品だとは正直思っていなかった。 だからこそ読み終えたあとしばらく心が動けない。 これから彼は、どう生きていくのだろう。 この先の道標が、どうか彼を正しい場所へ導いてくれますようにと願うばかり。
  • 2026年2月24日
    夜の道標
    夜の道標
    まだ読みはじめたばかり。 青春ミステリーなのかと思っていたけれど、どうやらそれだけではなさそうだ。 もっと複雑で、もっと深いものが渦巻いている。 父親のことが、どうしても許せない。 ページをめくるたびに思う。 この子は、どんな思いを抱えて生きているのだろう。 その痛みを、私は最後まで見届けなければならないのかもしれない。
  • 2026年2月22日
    さよならに反する現象
    読みやすく、頭の中に自然と情景が浮かび上がる文章で、まるでショートドラマを観ているかのような感覚になります。 帯にある「恐ろしくて切ない物語」という言葉どおり、物語には確かな恐ろしさと切なさがありました。どこか奇妙でユーモラスな空気が漂う一方で、胸の奥をひやりとさせる瞬間もきちんと用意されています。 思わず「え!?」と声が出てしまうような展開もあり、最後まで飽きることなく楽しめる短編集です。 不思議さと怖さ、そして切なさが絶妙に絡み合う一冊。
  • 2026年2月20日
    息
    喘息の息苦しさ。 そして、残された者が生きていくという苦しさ。 喘息を抱える私にとって、この物語は決して他人事ではなかった。 読み進めながら、発作が誘発されてしまうのではないかと不安になるほど、胸の奥が締めつけられる。実際に息苦しさを覚えながらの読了だった。 幼い頃、同じく喘息に苦しみ、そのつらさを分かち合ってきた弟がいる。 けれど彼は、自ら命を絶った。 その出来事を境に、家族は一度、深い闇へと落ちていく。 物語は、劇的な展開を見せるわけではない。 ただ、時の流れに身を委ねるように静かに進んでいく。 それでも、喘息の苦しみ、命の脆さ、 そして身内の死に向き合う悲しみが、痛いほど鮮明に描かれている。 だからこそ 闇の中でわずかな光を見つけた瞬間、 それは確かに「生きる希望」へと変わるのだと感じさせてくれる。 重く、苦しい物語でありながら、 それでもなお、生きることを選び取る強さをそっと示してくれる一冊だった。
  • 2026年2月13日
    カフネ
    カフネ
    家族とはいえ、しょせんは他人。 自分では“愛”だと思っていたものが、いつの間にか相手の首を絞めてしまう そんなことは、決して珍しくないのだと思う。 そして、他人の本当の気持ちは家族であっても分からない。 誰もがそれぞれの背景を抱えながら、生きている。 気づけば他人軸になっていた自分の人生。 本当は、自分のために生きることが正解なのだろう。 けれど、誰かのために生きる「他人軸」の中にも、また別の幸せがあるのかもしれない。 孤独に耐えきれず、 誰にも頼れず、 それでも生きていく。 人間の弱さが丁寧に描かれ、現代社会が抱える問題も鮮明に浮かび上がる。 文庫になるまで待とうと思っていた一冊だった。 けれど、待たずに読んでよかったと心から思えた作品。 「生きている」 それだけで、希望は持てるのだと教えてくれる。
  • 2026年2月12日
    カフネ
    カフネ
    まだ読み終えてはいないけれど、今のうちに書き留めておきたい。 自分の人生は、自分のものだということを忘れかけていた。 気づけば、いつの間にか他人軸で物事を考えてしまっている。 どれほど辛くても、どれほど苦しくても、 お腹は減るし、ご飯はちゃんと美味しい。 つい食事をおろそかにしてしまいがちだけれど.. さあ、続きを読もう。
  • 2026年2月5日
    夏を喪くす
    夏を喪くす
    何かを失った女性たちを描いた短編集。 ある出来事をきっかけに、失くしてしまったものの大切さに気づいていく彼女たちの姿が描かれている。 主人公たちに強く共感できたわけではない。 けれど、それぞれがある意味では「自分らしく」生きていたのだとも感じた。 ただ、人生はそう簡単には進まない。 正解のない選択の連続の中で、自分が選んだ答えが本当に正しかったのかは、誰にもわからない。 それでも人は、その選択を信じて進むしかない。 静かに突きつけられる現実と余韻が残る。
  • 2026年2月4日
    5分後に意外な結末 ベスト・セレクション
    本みくじに入っていた一冊。 タイトル通り短編集で、どの物語もコンパクトにまとまっているため、移動時間などのちょっとした隙間時間にも読みやすい作品です。 短いながらも、それぞれに異なる物語が詰め込まれており、最後まで飽きずに楽しめました。 読書初心者の方や、普段あまり本を読まない方にもおすすめしやすい一冊です。 大きなどんでん返しがあるわけではなく、 「そう来たか」と思わせるような、小さな意外性のある結末が印象的。 肩の力を抜いて読めるのに、きちんと余韻が残る短編集でした。
  • 2026年2月4日
    水やりはいつも深夜だけど
    家族をテーマに描かれた作品。 まるで誰かの人生をそっと覗き見しているような感覚に包まれる。 人それぞれが抱える背景やすれ違い、物事がうまくいかない瞬間。 そこからどうやってやり直し、どう前を向いて歩いていくのか その過程が丁寧に描かれていて、とても心に残った。 自分の気持ちを言葉にできず、苦しさを抱え込んでしまうこと。 他人と自分を比べてしまうこと。 誰にでも思い当たる瞬間が、この物語にはある。 それでも人は自分の居場所を探しながら生きていく。 静かに、けれど確かに背中を押してくれる一冊だった。
  • 2026年1月31日
    黒い糸
    黒い糸
    現代社会の問題を映し出したミステリにホラー要素を重ねた作品。 登場人物は誰もが怪しく、あらゆる場面に違和感が漂う。 そして、それらはすべて連鎖していく。 理解できない悪意も、当人にとってはごく当たり前の行為に過ぎない。 互いに異なる「当たり前」を抱えている以上、価値観は交わることなく平行線を辿っていく。 「この人はいい人だ」という安易な決めつけが生む安心感こそが、 やがて自分自身の首を静かに絞めていくのだと思わされた。
  • 2026年1月30日
    アイドルだった君へ
    アイドルを、さまざまな視点から描いた作品。 アイドルとして抱える葛藤、そしてアイドルを推すオタクが背負う苦しみ。 自分自身がアイドルオタクだからこそ共感できる部分も多く、読み進めるほど胸が締めつけられた。 どこにいても、どこからでも攻撃ができてしまう現代。 歪み、どこか濁った愛を受け取りながら、それでもアイドルであり続けることは、もはや奇跡に近いのかもしれない。 それでもアイドルだからこそ、愛される。 痛くて、苦しくて、儚くて、脆い。 そんな矛盾を抱えた職業なのだと、改めて思い知らされる一冊だった。
  • 2026年1月25日
    クララ殺し
    クララ殺し
    一見すると『アルプスの少女ハイジ』かと思いきや、まさかの『くるみ割り人形とネズミの王様』。 前作は原作を詳しく知らなかったため、正直なところ十分に味わいきれなかった。 それにもかかわらず、今作に至っては原作をまったく知らないという状況での読書となった。(ハイジだと思って読書開始) 前作よりも登場人物が増え、物語はより複雑に展開していく。 グロテスクな描写は控えめで、その分、構成や仕掛けの巧みさが際立つ。 前作との繋がりを絶妙な形で忍ばせてくる点には、さすがの一言。 前作をきちんと読んでいることを前提としたトリックが仕込まれており、 その思惑通り、読者は心地よく騙されてしまうだろう。
  • 2026年1月23日
    嘘と隣人
    嘘と隣人
    連作短編。 咄嗟についたひとつの嘘が、ここまで複雑に絡み合っていくのかと息をのむ。 自分を守るための嘘。 承認欲求から生まれた嘘。 どれも保身のためについたはずの嘘なのに、引き返せなくなり、突き通すしかなくなっていく。 その結果、誰かを犠牲にし、そして自分自身もまた犠牲になっていく。 しかし、真実を知ろうとすることが、必ずしも正解とは限らない。 知らなくていいことも、この世には確かに存在する。 一度知ってしまえば、もう元の場所には戻れないからだ。 嘘と真実の狭間に潜む、人間の底知れない怖さを突きつけられる一冊。
  • 2026年1月22日
    十戒
    十戒
    『方舟』があまりにも面白くて、思わず手に取った一冊。 やはり『方舟』もそうだったが、本作も犯人の造形がとにかく魅力的で、どんでん返しの巧みさに唸らされる。 『方舟』が個人的に衝撃的すぎたぶん、今回は比較的落ち着いて読み進められた。 そう思っていたのも束の間、結末で「この人なの!?」と思わず声が出るほど驚かされた。 読み終えたあと、もう一度最初から読み返すと、散りばめられていた違和感の意味が一気につながっていく。 「ああ、そういうことやったんか」と腑に落ちる、この二度読みの快感こそが本作の醍醐味だと思う。
  • 2026年1月22日
    わたしを離さないで
    わたしを離さないで
    誰かの犠牲の上に成り立つ人生がある。 けれど、その「誰か」にも、確かに人生はある。 あまりにも残酷だ。 生まれた瞬間から運命が定められ、 その行く先を他者に握られている人たちがいる。 不条理すぎて、読み進めるほど言葉を失う。 私たちが生き、未来に希望を抱き、夢を見る―― そんな当たり前だと思っていたことが、 決して当たり前ではない世界があるのだと知った。
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